51歳レジェンド・葛西 国内大会2季ぶり優勝に「ヤッター!」 「この年で凄い」2・16W杯予選に弾み

[ 2024年2月4日 04:30 ]

TVh杯を制し、優勝カップを手に笑顔の葛西                                                                                                            
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 51歳のレジェンド、葛西紀明(土屋ホーム)が1回目4位から2回目に130・5メートルを飛んで逆転し、22年1月の雪印メグミルク杯(大倉山)以来2季ぶり、50代では初となる優勝を飾った。16日のW杯札幌大会予選出場は既に決まっており、自身の持つW杯個人最多569試合のギネス世界記録更新となる本戦(17日)進出へ弾みをつけた。

 51歳のレジェンドが、また一つ伝説をつくった。1回目125メートルで4位。続く2回目は緩やかな向かい風に乗って130・5メートルの大アーチを描いた。残るは3人。北京五輪代表の佐藤幸椰(雪印メグミルク)ら強力なライバルたちが飛距離を伸ばせず、2季ぶりの優勝が舞い込むと「ヤッター!」と大はしゃぎした。

 「やっと(表彰台の真ん中に)戻ってきた。優勝は自信につながる。40代を超え、応援の期待に応えたいという気持ちが強くなった。この年で凄いじゃないですか(笑い)。まだまだ頑張ります!」

 五輪は、前回北京大会に選出されず、92年からの連続記録は8大会で途切れた。長年戦ってきたW杯でも20年2月の札幌大会を最後にその舞台から遠ざかる。ここ数年は国内大会に出場。踏み切りで立ち上がる際にスリップして力が伝わらない不振の時期が続いた。

 50代に突入し、年齢的な限界もささやかれたが、復活への糸口は所属先の愛弟子、伊藤有希の存在だった。伊藤の助走姿勢をヒントに自らのジャンプに修正を加え、力強い踏み切りを取り戻した。1月20、21日、札幌でのW杯下部のコンチネンタル杯では計3戦のうち2戦で日本勢トップ。最後の3戦目で調子を落としかけたが、昨季就任したマティアジュ・ズパン・コーチの「助走姿勢がつぶれすぎ。楽に構えて」という助言で復調し、優勝カップを手にした。

 葛西は「家族が喜んでくれる。娘と息子が“父ちゃん優勝してきてね”と。家に帰るのが楽しみ。早く大きな優勝カップを見せたい。こんなハッピーな日に(節分で)鬼にはなれないかな」と、優しいパパの顔に戻った。

 伝説は続く。W杯札幌大会では、16日の予選で50位以内に入り、17日の本戦に進めばギネス世界記録を更新する。「予選突破の自信とプレッシャーはあるが、570は600試合への通過点」。51歳になっても飛び続ける理由を問われると「ジャンプが大好きで勝ちたい」と語った。次はW杯で世界がレジェンドを待っている。


 ≪葛西のギネス世界記録≫

 ☆W杯 個人最多出場569試合。14年11月のW杯個人第3戦(フィンランド・ルカ)で42歳176日での優勝は最年長記録

 ☆五輪 92年アルベールビル大会から8大会連続出場、14年ソチ五輪団体銅メダルの41歳256日は最年長メダリスト

 ☆世界選手権 最多出場13回

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