友風1513日ぶり幕内白星「素直にうれしい」4度の手術、歩行困難の危機からの復活

[ 2023年11月14日 04:50 ]

大相撲九州場所2日目 ( 2023年11月13日    福岡国際センター )

宝富士(左)を押し出しで破る友風(撮影・中村 達也)
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 4年前の九州場所2日目に右膝の大ケガを負い序二段まで番付を下げた友風が宝富士を押し出しで破り、幕内では19年秋場所千秋楽以来、1513日ぶりの勝利を挙げ力士人生を危ぶまれる危機から奇跡の復活を果たした。綱獲りの大関・貴景勝は正代を土俵際の引き落としで下し2連勝。霧島、豊昇龍も連勝発進した。

 4度の手術、そして歩行困難の危機を乗り越えてたどり着いた「因縁」の九州場所2日目。宝富士を押し出した友風の表情はとても爽やかだった。入門時から指導を受けてきた中村親方(元関脇・嘉風)に「お帰りなさい」とねぎらいの言葉をかけられ、大勢の報道陣の前で「素直にうれしい」と力を込めた。

 19年九州場所2日目、土俵際に転落し前十字など多くのじん帯と筋肉が切れる大ケガを負った。初日に敗れたのも、母親が2日目まで観戦するのも4年前と同じ。怖さは残るし、夢にも出てくる。避けて通れない試練の中、背中を押したのは「感謝の心」だ。初日にふがいない相撲で敗れた後、宿舎でビデオを繰り返し見た。大きな拍手、声援。しこ名が刻まれたタオル。「込み上げるものがありました。昨日の反省を生かし切り替えられた」。迷うことなく宝富士の左封じを徹底し、1513日ぶりに勝ち名乗りを受けた。

 入門から6年半。通算195勝目は新たな伝説への幕開けだ。「拍手と歓声をたくさんもらえる、友風らしい相撲を取りたい」。吹っ切れたように苦労人の声がはじけた。 

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