19歳・吉井が大辻とプロ初対戦で勝利「やっと戦えるんだな」全中決勝の再現 新たなライバル物語

[ 2023年1月19日 15:36 ]

大相撲初場所12日目 ( 2023年1月19日    東京・両国国技館 )

<大相撲初場所12日目>大辻をかいなひねりで破った吉井(左)(撮影・西海健太郎)
Photo By スポニチ

 幕下・吉井(19=時津風部屋)が同学年の大辻(19=高田川部屋)を下して3勝目を挙げた。

 立ち合いで左前ミツを引いた吉井が右四つで先に攻めて優位な展開をつくったが決めきれず、一瞬もろ差しを許すなど苦戦。左上手が切られて攻め込まれたが「絶対負けたくないって気持ちで必死でやりました」と相手の右腕を両手で抱え、一本背負い気味のかいなひねりで執念の白星をつかみ取った。軍配は大辻に上がったが、物言いがついて差し違い。約50秒の激しい攻防に自然と大きな拍手が沸き起こった。

 この2人は19年春場所初土俵の同期。ともに中卒で角界入りし、スピード出世で幕下まで番付を上げた。意外にも今回がプロ初対戦。18年の全中個人戦決勝で対戦して以来の顔合わせだった。その時に勝って中学横綱に輝いた吉井は、入門当初から「いつか当たるんだろうなとお互いに思っていた」と上の番付での対戦を待ち望んでいた。入門から4年が経ち、十両土俵入り後の最初の取組でようやく実現した。近い将来、幕内で何度も対戦することが期待されるライバル物語の始まり。「やっと戦えるんだな」と期する思いは強かった。

 今場所幕下15枚目格付け出しデビューで快進撃を続けている“令和の怪物”落合(19=宮城野部屋)も同学年。吉井は元中学横綱として、東幕下3枚目まで番付を上げたこともある同世代の“出世頭”として、負けられない思いは強い。「自分の方が先に(角界に)入っているので悔しいですけど、悔しがっている暇はない。稽古して、追いつき追い抜かせるように頑張りたい」。期待の19歳が大きな刺激を受け、まずは最後の一番で今場所の勝ち越しを目指していく。

続きを表示

この記事のフォト

2023年1月19日のニュース