【陸上】不破聖衣来、万感の復帰戦「感謝を結果で返したくて」猛スパートでインカレ初頂点

[ 2022年9月9日 20:49 ]

<第91回日本学生陸上競技対校選手権大会・女子10000m決勝> 笑顔でゴールする拓大・不破聖衣来 (撮影・後藤 大輝)
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 女子1万メートル決勝では、日本歴代3位の30分45秒21のタイムを持つ不破聖衣来(19=拓大)が復帰戦として臨み、32分55秒31で初優勝を飾った。フィニッシュすると、万感の表情で「やっぱりこういう大会は楽しいと感じた。ケガなく走ることは楽しいなと改めて感じた」と振り返った。

 貧血で練習を積めず、3日前まで出場を悩んだという。それでも1キロ3分20秒ペースを目安に、序盤から先頭集団を引っ張り、5200メートル付近で6番手まで後退したが、7300メートル付近で「ここで勝負」と感じてスパートをかけた。「たくさんの応援してくださった方々の顔やメッセージが浮かんできた」と振り返り、「感謝を結果で返したくて頑張りました」と気力を振り絞った。
 今夏の世界選手権(米オレゴン州)の参加標準記録を突破していたが、今年1月の全国都道府県対抗女子駅伝後に座骨を痛め、その後に右足アキレス腱の周囲炎などで静養。4月17日の日本学生個人選手権の5000メートル以来145日ぶりのレースとなった。

 その間、出場のかなわなかった7月の世界選手権には現地まで観戦に行った。「狙っていた大会で、今後、目指していく大会。直接見ることが出来て、世界の選手の強さを直接感じることができた」。シファン・ハッサン(オランダの)のスパートなどに心奪われながらも「気が引き締まった」と決意を新たにした。

 今後は駅伝などにも出場しつつ、12月のトラックレースで1万メートル日本記録更新を狙う。「世界と戦う中で日本記録は通過点で、切らないと世界で勝負できない。目指していきたい」と力強く語った。

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