~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑩ 効率よくフェースターンを行う

[ 2022年9月9日 12:00 ]

~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑩ 効率よくフェースターンを行う
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 インパクト、フォロースルーにかけて、開いたフェースを閉じる動きをフェースターンと呼びます。奥嶋誠昭コーチによれば、この動きをアベレージゴルファーの多くは、手首や腕を使って行いがちだと言います。しかし、それだとフェースを返し過ぎたりして方向性が安定しません。そこで、今回は効率よくフェースターンを行うポイントを紹介します。日大ゴルフ部OGの加藤みなみさんがアシスタント役を務めます。 動画で見る・~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑩

 加藤 ダウンスイングからフォロースルーにかけて、クラブフェースを返す、返さないというのは、意見が分かれるところだと思いますが?
 
 奥嶋 最近はいろんなスイング理論がありますからね。基本的に開いたフェースは閉じなければいけないので、フェースは返すものだと考えてください。フェースを返さないとクラブヘッドも走りません。ただ、問題はフェースの返し方です。
 
 加藤 間違った返し方をしている人が多いんですか?
 
 奥嶋 そうです。アベレージゴルファーの多くは、右手甲を上に向けるように腕を返すことでフェースターンを行っています。もしくは、手首を使って返すパターンですね。わざわざ腕や手首を使わなくても、フェースは返せるんですよ。
 
 加藤 腕や手首を使わずに、どうやってフェースを返すのでしょう?
 
 奥嶋 ボディーターンです。トップ・オブ・スイングまで体を右に回転したら、ダウンスイング以降は左に回転します。この動きだけでフェースは返ります。実際にクラブを振ってみると分かると思います。ゆっくりでいいので素振りをしてみましょう。
 
 加藤 体を右に回した後、左に回すと。こんな感じですか?
 
 奥嶋 うーん、加藤さんの場合、体が正面に戻った時に体の回転が止まっていますよね?それだと腕を動かしているだけなんですよ。ダウンスイングからフィニッシュまで上体の動きが止まらずに、ずっと回転し続けるイメージです。
 
 加藤 上体の動きを止めてはいけないんですね。今度はどうでしょう?
 
 奥嶋 ほらっ、フェースが返っているじゃないですか。
 
 加藤 確かに返っていますね。私は腕や手首を使わず、単に体を回しただけですが、フォロースルーではフェース面が左を向いています。
 
 奥嶋 自分ではフェースを返したという感覚はないでしょうが、フェースターンとはそういうものなんです。腕や手首を使うのも間違いではありませんが、再現性を求めるならボディーターンを意識したほうがいいでしょう。
 
 加藤 とはいえ、ボディーターンをうまくできない人も多いですよね?
 
 奥嶋 そういう人は、おなか全体やおへそを意識してみましょう。おへそを右に向けた後、一気に左に向けるイメージです。その動きを素早く行うと、ヘッドもビュンと走るので飛距離が伸びますよ。
 
 加藤 なんとなく、手首を使ったほうがヘッドは走る気がしますけど。
 
 奥嶋 ところが違うんですよ。ボディーターンではフェースを返している感覚がないのと同じように、ヘッドが走っている感覚がないだけなんです。手首を返したときよりも確実にヘッドスピードは上がっています。むしろ、その感覚に慣れてほしいですね。

(取材協力=ヒルトップ横浜クラブ)

 ◆奥嶋 誠昭(おくしま・ともあき)1980年(昭55)3月26日生まれ、神奈川県横浜市出身の42歳。10歳からゴルフを始める。堀越高から米大学留学を経てレッスン活動をスタート。これまでに谷原秀人や一ノ瀬優希らのコーチを務め、現在は稲見萌寧、木下稜介らの指導を行っている。
 
 ◆加藤 みなみ(かとう・みなみ)1997年(平9)5月13日生まれ、栃木県佐野市出身の25歳。12歳でゴルフを始める。日大卒。大学時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは72。将来の活躍が期待される女子ゴルファーを応援するプロジェクト「白金台女子ゴルフ部」のマネジャーとしても奮闘中。

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