103連勝のレスリング藤波朱理 柔道・阿部詩と夢の合同練習プラン「ぜひやりたい」

[ 2022年8月16日 19:54 ]

レスリング全日本学生選手権第2日 ( 2022年8月16日    東京・駒沢体育館 )

<レスリング全日本学生選手権>女子55キロ級を制し、公式戦103連勝を達成した藤波朱理
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 女子55キロ級で21年世界選手権(53キロ級)女王で、9月の世界選手権(ベオグラード)で2連覇を目指す藤波朱理(18=日体大)が初優勝。中学2年時から続く公式戦連勝記録を103に伸ばし、来月10日に開幕する本番へ弾みを付けた。

 藤波は準々決勝で桜井菜々(福岡大)に、準決勝で吉柴未彩輝(大東大)にいずれも10―0のテクニカルフォールで勝利。決勝では昨年12月の全日本選手権を制した今井佑海(日大)と対戦し、第2ピリオドにカウンター攻撃からフォール勝ち。主戦場よりも1階級重い階級ながら、3試合失点なしの圧倒的な強さを見せつけた。

 表彰式では笑顔も見せた18歳だが、試合内容については「グランドだったり相手へのプレッシャーを意識した大会だった。課題も出たし、良くなったところもあった。細かいところを世界選手権に向けて修正したい」と気を引き締めた。減量が及ぼす体への負担、2キロ重い階級でのフィジカル面の腕試しを考慮しての55キロ級出場だったが、「(相手の)力の強さは53キロ級よりもあるが、そこまで力差はなかった」と手応えも感じた様子だった。

 吉田沙保里、伊調馨のレジェンド2人に続く日本女子史上3人目の3桁連勝を継続中の藤波だが、記録に関しては「(意識は)ゼロではないが、身近(日体大コーチ)に伊調さんがいて、もっと凄い記録を持っている。自分は過去のモノと割り切っている」と言い切り、表情をやや硬くした。一方、終始表情が緩みっぱなしとなったのが、以前から憧れの存在と語っていた大学の先輩に当たる東京五輪柔道女子52キロ級金メダリストの阿部詩の話題を振られた時だった。

 6月下旬に取材を受けた際には、キャンパス内のエレベーターで偶然乗り合わせてあいさつし、「その日はスキップして帰った」と語っていた藤波。その後はより関係が深まり、つい先日には「ダメ元で誘ったらOK」をもらい、日体大OGで体操部コーチの村上茉愛さんを交えた3人で食事をする機会に恵まれたという。さらにその後も近所に住む阿部と2人で食事をしたといい、「信じられないくらいうれしかった。気遣いができる方で、ああいう風になりたいという人が身近にいるのはうれしい」と目を輝かせた。

 来月にはレスリング、10月には柔道の世界選手権が控える。今後しばらくは互いの試合へ集中する日々が続くが、「詩さんはレスリングの練習もしたいと言っていたので、ぜひ自分もしたい。お互いにプラスになる部分があるので、ぜひしたい」と夢のプランを語った藤波。それぞれが金メダルを日本に持ち帰り、“異種目最強タッグ”による合同練習を実現させる。

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