17歳ニューヒロイン誕生!馬場咲希 服部道子以来日本勢37年ぶり全米女子アマ制覇「信じられない」

[ 2022年8月16日 04:00 ]

全米女子アマチュアゴルフ選手権最終日 ( 2022年8月14日    米ワシントン州ユニバーシティープレース チェンバーズベイ=6541ヤード、パー73 )

決勝27ホール目でバーディーパットを決め、ガッツポーズする馬場(AP)
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 女子高生ゴルファーが世界に衝撃をもたらした。17歳の馬場咲希(日本ウェルネス高2年)がマッチプレーでの決勝(36ホール)でモネ・チャン(21=カナダ)を11アンド9(9ホールを残して11アップ)の大差で下して優勝した。トッププロ並みの飛距離と正確なパットで序盤から相手を圧倒した。11アンド9は122回の伝統ある大会決勝で歴代3番目の大差。日本勢では1985年の服部道子以来、37年ぶり2人目の快挙となった。

 またまたニューヒロインが誕生した。17歳の馬場が全米女子アマを制した。目を引く長身は憧れの東京五輪金メダリスト、ネリー・コルダ(米国)をほうふつさせる。平均飛距離270ヤードの1Wで相手を置き去りにし、常に優位に立った。決勝は36ホールの長丁場。前半18ホールで7アップと大量リードすると圧巻は後半22ホール目から。6連続で奪い、9ホールを残して勝負を決めた。

 「終わった後はえっという感じ。信じられないです」とはにかんだ。23ホール目のチップインバーディーで一気に加速した。「勝つ、勝つ、勝つとずっと考えていました」。最後は27ホール目のパー3。約4メートルのバーディーパットをど真ん中から決めた。相手のチャンと健闘を称え合うハグを交わすと両手で顔を覆った。瞳からこらえていたものがあふれ出た。

 圧倒的なスケールを感じさせる。「まだ1年で4ミリくらいは伸びてます」と話す身長は現在1メートル75。長身から繰り出すトッププロ並みの飛距離に加え、この日は「パターが思い通りに打てたので相手にプレッシャーを与えられたかな」。地元のコースキャディーと組み、傾斜のきついグリーンも攻略した。

 日本勢では服部道子以来の快挙で来年のメジャー(シェブロン選手権、全米女子オープン、エビアン選手権、全英女子オープン)出場権も獲得。馬場は「そこを目指していました」と目を輝かせた。

 父の影響で5歳から始めたゴルフ。身体能力の高さから中学時代には野球部にも勧誘された逸話も持つ。今年6月、初出場した全米女子オープンでは日本人アマとして8年ぶりに予選を通過(49位)し、鮮烈なインパクトを残した。渋野日向子には練習ラウンドを志願。まだ細身な馬場は「頑張ってご飯を食べようね」とアドバイスも受けた。世界を強く意識するきっかけにもなった。

 今後は世界女子アマチュアチーム選手権(24日開幕、フランス)に出場し、来年にはプロテストも受ける予定。「米国の大学も行きたいけど分からない。米ツアーには出たいです!というか今、(日本に)帰りたくないです」と笑った。見据えるは世界最高峰の舞台。「夢は海外メジャーで優勝すること」と可能性は無限に広がっている。

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2022年8月16日のニュース