中国が東京五輪と北京冬季五輪にワクチン提供申し出 組織委「コメントする立場にない」

[ 2021年3月11日 22:34 ]

IOCのバッハ会長(AP)
Photo By AP

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は11日、オンライン形式で開いた総会第2日の審議の冒頭で、中国オリンピック委員会から今夏の東京五輪と22年2月の北京冬季五輪向けに新型コロナウイルスのワクチンを提供するとの申し出があったと明かした。バッハ会長は「五輪の真の連帯精神に基づく申し出に感謝する。東京と北京への参加者がワクチンを利用できる。これらの追加接種分の費用はIOCが負担する」と述べた。ワクチンの数や金額は不明。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は初出席となった総会で、東京大会の準備状況を報告。就任時に掲げた「コロナ対策」「ジェンダー平等」「東京モデルの構築と継承」と取り組みを紹介した。また、東日本大震災から10年の節目でもあり、犠牲者に哀悼の意を表した。総会後の会見では、中国からのワクチン提供申し出について質問が出たが、組織委の武藤敏郎事務総長は「ワクチン接種に関しては政府がやっている。組織委員会としてコメントする立場にない」と話した。

 また、バッハ会長が10日、東京五輪の観客数上限について判断を5月か6月まで先送りすることを示唆した件について、武藤事務総長は「バッハ会長のコメントなので東京側からコメントするのは控えた方がいいと思う」とコメントを避けた。今月3日のIOC、IPC(国際パラリンピック委員会)、政府、東京都、組織委による5者協議では「4月中」で合意しており、「5者の間で認識は共有しているというのが我々の理解である」と話した。

続きを表示

2021年3月11日のニュース