夢のNBAへ!米大学界の“日の丸”新星・テーブス海、目指す八村&渡辺の道

[ 2019年11月28日 11:30 ]

NCAA1部今季開幕戦でプレーするテーブス海(ジョン・クラウチ氏撮影、ノースカロライナ大ウィルミントン提供・共同)
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 バスケットボールで全米大学体育協会(NCAA)1部ノースカロライナ大ウィルミントン校に所属するテーブス海(21)がインタビューに応じた。カナダ人の父と日本人の母を持つポイントガード(PG)は、グリズリーズの渡辺雄太(25)、ウィザーズの八村塁(21)に続く米大学からのNBA入りを目指して奮闘中。2季目を迎えた今季の目標や東京五輪への思いなどを語った。

 身長1メートル88。日本人PGとしては大型のテーブスはNCAA1部で2年目のシーズンを迎えた。昨季は1試合平均30分48秒の出場で8・8得点、7・8アシストを記録。アシストは今季NBAドラフトで1巡目指名(全体2位)されたモラント(グリズリーズ)に次ぎ、全米2位の記録だった。今季も主力でフル回転している。

 「今季は自分の自分に対する期待感が上がっている。得点力を発揮したい気持ちが強い。昨季はいっぱいプレータイムをもらえたので、今季は2年目だけど他の選手と比べたら経験がある。いろいろなシチュエーションを経験できたことで、今季は何があっても冷静にやっていけると思っている」

 目標は渡辺、八村に続く、米大学からのNBA入り。長所や短所を冷静に分析して課題と向き合っている。

 「自分の持ち味は常に周りが見えていること。ディフェンスのヘルプが来る前に(相手の動きが)読めると自分では思っている。シュートが入る、入らないは別として、PGとしてチームがシュートを打てるように流れをつくりたい。(ボールを失う)ターンオーバーを少なくして、全ポゼッションでシュートが打てるところまでリードしたい。自分はパスとサイズの面ではNBAに行けるチャンスがあると思うが、これから得点力をつけていかなければいけない。シュートをしっかり決めることが一番大事。(NBAに到達するには)得点重視のPGではなくても、得点ができるPGでなければいけない。今年はその課題を修正しようと思ってプレーしている」

 NBAで1年目から主力として活躍している八村、モラントからは刺激を受けている。

 「ウィザーズのゲームはいつもYouTubeで見ている。(八村の活躍は)もちろんモチベーションになる。彼が日本のためにやってくれたことは凄い。僕もインスパイアされている。モラントのプレーは凄く好き。あとはスティーブ・ナッシュ(サンズなどで活躍し15年に引退)のようなPGが好きだった。カイリー・アービング(ネッツ)も見る分には好きだけど、参考にしているのはナッシュとかモラント」

 7月には若手中心の日本代表で臨んだウィリアム・ジョーンズ杯(台湾)に出場し、銅メダル獲得に貢献した。W杯中国大会(8月31日~9月15日)のメンバーからは落選したが、今月12日の試合を日本協会の東野技術委員長が視察するなど期待は高い。

 「20年の東京五輪出場はずっと目標にしてきた。次の夏にまたチャンスがもらえれば、自分の力を発揮して出場できたらいい」

 ≪し烈な日本代表PG争い≫日本代表のPG争いはし烈だ。9月のW杯中国大会は主軸の富樫勇樹(千葉)がケガでメンバー外だったが、篠山竜青(川崎)、安藤誓哉(A東京)がメンバーに名を連ねた。日本代表の次の活動は来年2月のアジア杯予選・中国戦(21日)、台湾戦(24日)だが、シーズン真っただ中の米国組は招集されない見通し。テーブスが東京五輪に出場するためには来年6月頃からスタートする見込みの日本代表候補合宿メンバーに入り、アピールする必要がある。

 ≪田臥は独立L→NBA≫これまでNBAでプレーした日本人は八村、渡辺、04年でサンズに所属した田臥勇太(現宇都宮)の3人。田臥は00年にNCAA2部ブリガムヤング大ハワイ校へ留学しているが、サンズとは独立リーグでプレー後に契約しており、大学から直接NBA入りしたのは八村(ゴンザガ大)、渡辺(ジョージワシントン大)の2人しかいない。

 ◆テーブス 海(てーぶす・かい)1998年(平10)9月17日生まれ、兵庫県出身の21歳。小学4年時からバスケを始め、神戸市立本庄中時代にはU―15日本代表に選出された。東京・京北高を2年で退学して渡米。ブリッジトン・アカデミー、ノースフィールド・マウント・ハーモン高を経て、18年にノースカロライナ大学ウィルミントン校に進学した。カナダ人の父BT・テーブス氏(53)は元バスケ選手で日本でもプレーし、現在はWリーグ富士通のヘッドコーチ。1メートル88、83キロ。

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