競泳界で注目の旬な男! 松元克央、東京五輪で“頂点ガツオ”に!

[ 2019年8月7日 15:28 ]

松元克央
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 今、競泳界で旬な男がいる。7月の世界選手権の男子200メートル自由形で銀メダルに輝いた松元克央(かつひろ、22=セントラルスポーツ)だ。1分45秒22の日本記録を樹立し、この種目で五輪、世界選手権を通じて日本人初メダルの快挙を達成。歴史的レース直後のインタビューで「東京五輪ではトップ目指して“頂点ガツオ”になりたい」と宣言したことでも注目を集めた。

 小学生の頃から愛称は「カツオ」。世界選手権後には、静岡県御前崎市に本社を置く日光水産から銀メダル祝いのカツオ(約3キロ)が届いた。一本釣りの最高品質「かつおの頂(いただき)」でブランド化されている商品。“頂点ガツオ”の発言を聞き“頂”つながりでプレゼントされた。今月2~4日に開催されたW杯東京大会では観客から「カツオ!」の声援も飛び、ニックネームは徐々に浸透。「カツオと呼ばれるのは嬉しい。もう、かつひろでは反応できない」と歓迎する。

 そのW杯東京大会は本命種目の200メートル自由形で1分47秒95の4位。疲労から思うようにタイムが伸びず「今日は微妙ガツオですね」と苦笑いした。直後に、飛躍のシーズンのラストレースだったこともあり「締めくくったので、締めガツオでお願いします」と笑顔で修正。結果が出た時はもちろん、思うような成績を残せなくても“カツオ語録”を繰り出す姿勢にプロ意識がにじんだ。

 魚のカツオはスズキ目・サバ科に属するが、松元は鈴木陽二コーチ(69)に師事する。88年ソウル五輪100メートル背泳ぎ金メダリストの鈴木大地氏(現スポーツ庁長官)を育てた名伯楽で、過酷な練習で知られる。松元は世界選手権で銀メダル獲得直後に「まぁまぁだな」と言葉をかけれ「鈴木先生は金メダルじゃないと心の底からは喜んでくれないと思う。来年は金メダルをとって、心の底から喜ばせたいと思う」と誓った。

 戦国時代にはカツオは「勝男」、鰹節は「勝男武士」と漢字をあて武士の縁起物とされた。織田信長が産地から離れた清洲城や岐阜城にカツオを取り寄せて家臣に振る舞った記録もある。松元が鈴木コーチのもと、鰹節ばりに身を削るような努力を積み重ねた時、東京五輪での錦松梅、いや、金メダルも見えてくる。(記者コラム・木本 新也)

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