渋野 来季米ツアー参戦も!東京五輪で「金メダルを目指したい」

[ 2019年8月7日 05:30 ]

全英女子オープンから凱旋帰国した渋野日向子(中央)は祝福に笑顔を見せる(撮影・小海途 良幹)
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 女子ゴルフのAIG全英女子オープンで優勝し、日本人選手として42年ぶりの海外メジャー制覇を果たした渋野日向子(20=RSK山陽放送)が6日、羽田空港に凱旋した。5日付の最新世界ランクでは日本勢2番手となる14位にジャンプアップ。20年東京五輪代表圏内に突入し、金メダル獲得も宣言した20歳は、今後の国内ツアーの結果次第で、来季米ツアー参戦の可能性も浮上している。

 歴史を塗り替えた“スマイル・シンデレラ”渋野も、出迎えた約300人の祝福を受けた瞬間、面食らった。「想像以上(の人数と盛り上がり)で凄いびっくりした」。それでもトレードマークの笑顔を絶やすことなく、ファンの呼び掛けには丁寧に応じた。会見で待ち構えたのは、テレビカメラ26台と141人の報道陣。「英国に着いた時から日本に帰りたいと思っていたので、やっと帰れてうれしいです」と、変わらぬ渋野節を爆発させた。

 42年ぶりの快挙で、大舞台への扉は大きく開かれた。「海外メジャーで最高の結果を出せて、少しは(五輪に)つながった。出たいという気持ちが湧きました」。5日に発表された世界ランクは46位から14位にジャンプアップした。先週まで日本勢2番手だった鈴木愛(29位)を抜き、トップの畑岡奈紗(10位)にも肉薄。同ランクを基に算出される五輪ランクで切符は決まるが、東京五輪の代表圏内に突入した。渋野は「五輪に出るには、そのぐらいの順位でいないといけない。母国開催なので、金メダルを目指したい。まだ決まっていませんが…」と独特の言い回しでV宣言した。

 会見では改めて国内ツアー専念の意向を表明した。海外に関しては「出て結果を出せば五輪出場にはつながる。出た方がいいのかなと思うけど、今はあまり考えていない」と明言を避けたが「レベルを上げるには海外で経験しないといけない」とも言った。関係者は「活躍が目覚ましすぎて、本人も現状を把握しきれていないところもある。これからの活躍次第では、米ツアーに出ることだって考えられる」と指摘。今後も国内で勝利を積み重ね、最大目標とする賞金女王まで獲得すれば、視線はおのずと海外に向かうことになる。

 今回の優勝で、会員登録さえすれば来季の米ツアー参戦の権利は確保した。五輪まで1年。わずかな期間でランキングがめまぐるしく入れ替わることは、昨年末に世界ランクが500位台だった渋野自身が最もよく知っている。

 「今の順位だけでは絶対に決まらない。気を緩めず頑張るしかない」

7日には北海道入りし、9日に開幕する北海道meijiカップに参戦する。世界を驚かせたシンデレラストーリーは、これからも続く。

 ▽世界ランキングと五輪ランキング 女子の世界ランクは06年シーズンから導入され、日米欧のほか韓国やオーストラリアツアーも対象。基本的には直近2年間(104週)の試合で獲得したポイントを出場試合数で割った平均点方式。直近13週の獲得ポイントは2倍で計算。獲得ポイントは世界ランク上位者の出場人数などによって違う。渋野は今回の優勝で100点を獲得したが、国内メジャーのワールドレディース・サロンパス・カップVで獲得したのは19.5点。なお、五輪ランクは世界ランクに基づいて算出される。

 ▽ゴルフの東京五輪出場資格 16年リオの選考方法を踏襲。男子は18年7月1日から20年6月22日時点まで、女子は18年7月8日から20年6月29日時点までの2年間で算出する世界ランキングに基づいた五輪ランキングで資格が決定される。男女ともに上位60人が出場資格を獲得。上位15位以内は各国最大4人まで、16位以降は各国最大2人を上限としている。

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