ツアー初Vの杉田 44度酷暑制す「一番感動的な瞬間だった」

[ 2017年7月2日 05:30 ]

男子テニス アンタルヤ・オープン・シングルス決勝   杉田2―0マナリノ ( 2017年7月1日    トルコ・アンタルヤ )

アンタルヤOPシングルス決勝でショットを放つ杉田
Photo By 共同

 最高気温44度に達した灼熱のアンタルヤで、世界ランキング66位の杉田祐一(28=三菱電機)が快挙を成し遂げた。第2セットのタイブレーク、6―4で迎えたマッチポイント。サーブをセンターに打ち、相手のリターンがネットにかかる。ここまでの長い道のりをかみしめるようにゆっくりとコートに倒れ込んだ。

 「自分のキャリアで一番感動的な瞬間だった。ツアーでは初めての決勝で勝つことができた。アメージング。信じられない」と表彰式では興奮冷めやらぬ様子で喜びを表現した。

 杉田と同じくツアー初の決勝進出を果たした世界62位のアドリアン・マナリノ(29=フランス)に対し、先に主導権を握った。第1セットは第2ゲームで早々にブレークし、第6ゲームも再び相手のサービスを破って6―1で圧倒した。

 第2セットも攻勢を緩めず、第3ゲームで先にブレークに成功したまではよかった。しかし直後にブレークバックを許すと徐々に動きが鈍り始めた。両者1度ずつブレークを重ね、このセットはタイブレークへ。ここでも先に杉田がリードし、マナリノが抜き返す一進一退の攻防。最後は杉田が3―4の逆境から4連続ポイントを奪い、酷暑の戦いにピリオドを打った。

 初めてトップ100の壁を破ったのはツアー10年目となる昨年のことだ。今年2月には134位まで後退していたが、ツアー下部大会で優勝を重ね、4月のバルセロナ・オープンではラッキールーザーから上位食いを果たして8強入りと躍進。「プロ11年目にして心技体が良い形で固まりつつある」という自信を胸に、芝コートの下部大会でも優勝して弾みをつけて乗り込んだ今大会で、松岡修造、錦織圭に続く日本男子3人目となるツアー優勝を成し遂げた。

 優勝賞金7万8270ドル(約880万円)を獲得し、週明けの世界ランキングは44位まで浮上する見込み。遅咲きのベテランは錦織以外の選手で初めて“修造超え”(松岡の最高位は46位)を果たすことにもなった。

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2017年7月2日のニュース