サントリー17戦全勝V!日本選手権“最後”の2冠達成

[ 2017年1月30日 05:30 ]

日本選手権決勝   サントリー15―10パナソニック ( 2017年1月29日    秩父宮 )

日本選手権・決勝<サントリー・パナソニック>優勝を決め、歓喜のサントリーフィフティーン
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 サントリーがパナソニックを15―10で破り、4季ぶり7度目の優勝を果たした。サントリーはトップリーグ(TL)を15戦全勝で制しており、今季公式戦17戦無敗で2冠を達成した。自慢のアタックを封じられたサントリーだが、SO小野晃征(29)が5PGで全15得点を稼ぎ出した。ノートライでの優勝は、05年度に東芝府中とNECが6―6で引き分け両チーム優勝となって以来。昨季リーグ9位のどん底から、最高の結果で復活シーズンを締めくくった。

 わずか5点リード、時計は後半39分。パナソニックの猛攻に遭い、徐々にディフェンスラインが下がる。トライを奪われれば同点、キックも決められれば逆転負け。そんな状況でチームを救ったのは、元オーストラリア代表のフランカー、スミスの“超能力”だった。

 インゴールラインまで残り15メートル、密集で相手ボールがこぼれた瞬間を見逃さなかった。相手SH内田とのボール争奪戦を制すと、最後はプロップ畠山が外に蹴り出しノーサイド。国内シーズンの掉尾(とうび)を飾るにふさわしいゲームを制した15人は、顔をくしゃくしゃにして2冠達成を称え合った。

 インタビューの最後に「明日はトレーニングです。冗談です」と真顔で答え、質問者を困らせた沢木敬介監督は言った。「予定していたアタックはできなかったが、しっかり我慢した。これもラグビーです」。アタッキングラグビーのチームが1トライも取れなかったが、冷静に粘り強く相手の反則を誘い、5PGだけで勝利した。

 「2人目のレースに勝つ」。SH流主将をはじめ、決勝に向けてコーチと選手が口酸っぱく語ってきた言葉だ。相手No・8のポーコックは15年W杯で個人1位のターンオーバー17回を記録。オーストラリア代表ではスミスの後継者と言える世界一のボールハンター対策として、ボール保持者への速い寄りを徹底した。

 1点を追う後半18分、ペナルティーを獲得した場面では、WTB中づるがつくったラックに対して小野、FB松島らが素早くサポート。相手に倒れ込みの反則を誘い、逆転PGへとつなげた。ベテランフッカーの青木も「ポーコックがいたことで、より集中力が高まった」と密集でのプレー精度の高さを勝因に挙げた。

 昨季9位からV字回復でシーズンを締めたサントリー。来季からTLプレーオフと日本選手権が実質的に統合される。最後の2冠にふさわしい17連勝だった。

 ▼日本選手権優勝回数 最多は9度の神戸製鋼で8度の新日鉄釜石が続き、7度目のサントリーは単独3位。またサントリーの決勝出場回数は今回が11度目で、神戸製鋼と並んで最多となった

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