【松岡修造の目】17年版の錦織 増えたネットプレーで嗅覚生きる

[ 2017年1月9日 08:05 ]

ブリスベン国際   錦織2―6、6―2、3―6ディミトロフ ( 2017年1月8日    オーストラリア・ブリスベン )

ポイントを奪われ肩を落とす錦織圭(AP)
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 年始の試合で一番難しいのはストロークのリズムをつくること。今大会のディミトロフは当たっていたが、圭の方がストロークの幅は広かった。素晴らしい形で全豪オープンに入れる。

 今大会から「17年版の圭」を読み取ると、ネットプレーの回数が増えた。ベースラインの内側で超攻撃的なストロークで攻めるだけでなく、ネットにも付いてプレーする。攻撃の幅をもっと増やそうとしている。それが4大大会優勝へのキーポイントになるからだ。

 元来のサーブ&ボレープレーヤーではないだけに、それだけに頼ってはいけないが、圭には独特の嗅覚がある。18歳でツアー初優勝した時も、大事なポイントなのに第2サーブでネットダッシュしていた。コーチであれば絶対に止めるところだ。それは彼の天性の感覚で他の選手にはない。

 ディミトロフ戦では正しい時に正しい形でサーブ&ボレーができていたが、なぜかサーブを思い切り打てないのが気になった。準決勝などそれが功を奏した場面もあったものの、何か考えがあってのことなのか、体の開きが早いせいでそうなっているのか。サービスのフォームだけは僕はあまり好きになれなかった。 (スポーツキャスター)

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2017年1月9日のニュース