ジョセフ新HC 脱エディー流宣言!ボール保持より積極キック

[ 2016年9月6日 05:30 ]

19年W杯へ向けての意気込みを語ったジョセフ新ヘッドコーチ

 日本ラグビー協会は5日、東京都内で日本代表のジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ(HC=46)の就任会見を開いた。契約期間は今月1日から19年12月31日までで、スーパーラグビーのサンウルブズやU20代表などを統括する総監督も兼任する。昨年のW杯ではエディー・ジョーンズ氏(56=現イングランドHC)の指揮下で歴史的3勝を挙げたジャパンだが、ジョセフ氏は「脱エディー流」で3年後に迫るW杯日本大会へチームを強化することを宣言した。

 「こんにちは、みなさん。ジョセフでございます。ありがとうございます」。開口一番、前任者より流ちょうな日本語で語り始めたジョセフ氏。身長1メートル96の巨体を誇る新指揮官は就任にあたり「私にとって大きな挑戦になる。プロのコーチとして12、13年で培ったものを日本に還元したいと思う」と抱負を語った。

 スーパーラグビーのハイランダーズを監督就任4年で優勝に導いた手腕を持つ同氏だが、国の代表HC就任は初めて。会見終了から2時間後には、都内の別の場所で来日中のジョーンズ氏と約40分間の会談を持ち「ヒアリングはした。私も常に他のコーチから学ばないといけない」と貪欲な姿勢を示した。

 ただ、代表の強化方法や戦術はエディー流からの脱却を図る意向だ。「私はエディーではないので、彼のやっていたことをそのままやるつもりはない」とキッパリ。「過去に何が行われていたかをしっかり知り、その上でアイデアを持って自分たちのコーチングでチームをつくる」と話した。

 具体的な戦術については今後練ることになるが、「世界の動向を見れば、キッキングゲーム(の流行)がある。キックスキルを3年間で伸ばしていきたい」との考えを示した。前体制下では体が小さく接点では不利な日本が世界と戦うために「ボール保持」が基本戦術だったが、相手にボールを渡すことになるキックも有効に使う方針。そのためにも「パワーの部分は世界に追い付かないといけない」とフィジカル強化の必要性を唱えた。

 強化策を巡っても、スーパーラグビー参入のために前体制下のような長期間かつ頻繁な代表合宿は不可能となる。それでもジョセフ氏は「アルゼンチン代表も似たような歩みをして、昨年のW杯でトップ4に入った。日本も同じことをやれないことはない」。世界と日本を知る将は、不敵な笑みを浮かべた。

 ◆ジェイミー・ジョセフ 1969年11月21日、ニュージーランド・ブレナム生まれの46歳。92年に同国代表初キャップを獲得し、95年W杯に出場。W杯後にサニックス(現宗像サニックス)に加入し、当時のルールにより99年W杯には日本代表として出場した。通算キャップはニュージーランド20、日本9。11年にハイランダーズ監督に就任し、昨年チームを初優勝に導いた。現役時代の主なポジションはフランカー/No・8。家族は妻と1男3女。

続きを表示

2016年9月6日のニュース