東京五輪へ新星!小学生男子初!11歳・張本8強入り

[ 2015年1月15日 05:30 ]

跳び上がって喜ぶ張本

卓球全日本選手権第3日

(1月14日 東京体育館)
 東京五輪へ新星が出現した。ジュニアの部男子シングルス5回戦で、小学5年の張本智和(11=仙台ジュニアク)が松山祐季(16=愛工大名電高)を3―2で下し小学生で史上初となる8強入り。準々決勝では敗れたが、鋭いショットで年上の高校生と渡り合った。同女子シングルスでは平野美宇(14=エリートアカデミー)、伊藤美誠(14=スターツ)が順当に準決勝に駒を進めた。

 天才少年が野太い雄叫びを上げた。「ウオオオオ」。張本は年上の高校生を相手にフォアハンド、バックハンドと自由自在に攻め続けた。得点を挙げれば、1メートル55の体でめいっぱい跳び上がって喜ぶ。その姿はまさに11歳の少年のもの。だが、ふてぶてしさは高校生にもひけをとらない。2ゲーム連取して迎えた3ゲーム目の9―5から追い上げられたが、最終ゲームまでもつれる接戦も浮足立つことはなかった。「ヤバイなと思ったけど、勝ててホッとした」。小学生初の8強入りに「目標以上に勝てて良かった」と胸を張った。

 男子日本代表の倉嶋監督がほれ込む逸材だ。水谷隼(25=ビーコン・ラボ)でも小6時は1勝。丹羽孝希(20=明大)も小6で2勝を挙げたのがやっとだった。しかし、張本は小4だった前回大会で2勝、そして今大会5勝。同監督は「小学生で(流れを)立て直せるのが凄い。水谷もブロックできたが、プラス攻撃力がある」と凄さを表現した。女子では福原愛(26=ANA)が小4で準優勝、平野美宇が小5で準優勝を記録しているが、体格、体力の差が大きい男子では偉業。「世界チャンピオンにしないといけない選手」と20年東京五輪のエースとして期待する。

 父・宇(ゆう)さん(44)、母・凌さん(41)は98年に卓球指導のために中国四川省から来日し、張本は仙台で生まれ育った。2歳からラケットを握ったが、11年の東日本大震災後は約1週間練習ができず、約1カ月中国に渡って生活したという。だが、「友達はみんな日本にいるから寂しかったようだ」と宇さん。14年3月に日本国籍を取得した。

 準々決勝ではストレート負けを喫し、初挑戦した一般では大学生相手に初戦敗退。それでも、「来年は一般でも1、2勝したい。ジュニアもチャンスがあれば、来年でも再来年でも優勝したい」とキッパリ。卓球男子に王国のDNAを持つ新星が現れた。

【張本 智和(はりもと・ともかず)】
 ☆生年月日 2003年(平15)6月27日、宮城県仙台市生まれの11歳。
 ☆サイズ 1メートル55、41キロ。昨年より身長は「4~5センチ」伸びた。
 ☆好きな食べ物 お寿司。
 ☆練習 1日3時間。土日は4~5時間。
 ☆習い事 学習塾を週2回。国語と算数。「中学までは勉強も頑張る」
 ☆好きな漫画 コロコロコミック。
 ☆プレースタイル サーブからの3球目、レシーブからの4球目のドライブが持ち味。
 ☆憧れの選手 世界ランク3位の16歳、樊(ファン)振(ジェン)東(ドン)。
 ☆主な成績 全日本選手権バンビ(小学1、2年)、カブ(同3、4年)、ホープス(同5、6年)と5連覇中。13年東アジアホープス(12歳以下)準優勝。

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