錦織 全豪第5シード!グランドスラム自己最高でV見えた

[ 2015年1月15日 05:30 ]

エキシビション大会のクーヨン・クラシックでに出場した錦織

 今年最初の4大大会となる全豪オープン(19日開幕、メルボルン)のシード選手が14日に発表され、男子シングルスの錦織圭(25=日清食品)が第5シードに入った。73年の世界ランキング導入後、4大大会の日本人男子では14年全仏オープンで錦織が記録した第9シードが最高だったが、それを塗り替える最高シードとなった。組み合わせは16日に決まる。錦織はこの日、エキシビション大会のクーヨン・クラシック(メルボルン)に出場。世界237位のジョーダン・トンプソン(20=オーストラリア)を6―4、3―6、7―6で退けた。

 これが4大大会優勝への通行手形だ。第5シードの肩書は、名誉ではなく実利を伴う。その意味を錦織も当然理解していた。

 「これだけ高いシードでグランドスラムに臨むのは初めて。これまでトップ8もなかったと思う。トップ8に入っていれば、上に行ける可能性は増えてくる」

 4大大会では出場128人のうち上位32人がシード選手。ウィンブルドンは芝コートの実績を加味した独自の基準があるが、その他の大会は世界ランクに基づいている。格上と対戦する可能性は第17~32シードなら3回戦、第9~16シードなら4回戦からになる。錦織は第16シードだった1年前の全豪オープンは4回戦で第1シードのナダルと激突。好プレーを連発しながら8強を逃した。14年全仏オープンは自己最高の第9シードとなったが、この時はケガによる強行出場で初戦敗退した。準優勝だった14年全米オープンは第10シード。4回戦で自分より上位の第5シードだったラオニッチ(カナダ)と顔を合わせることになった。

 今回は全米の時より1段階上の第5シードで、準々決勝進出まで格上との対戦を回避できる。優勝まで7試合を戦い抜く必要がある4大大会では体力温存は不可欠。小兵の錦織となればなおさらで、メリットは大きい。

 もちろん下位に取りこぼすようでは上位シードの意味はなくなる。この日の試合は世界237位、ワイルドカード予選を勝ち上がって全豪にも出場するトンプソンが相手だった。第1セットを楽々と取った錦織だったが、その後は反撃を受けて最終セットのタイブレークまで粘られた。錦織にとってはあくまで調整の一環、勝って当然の力関係。「リトル台風」というほどの強風が吹き、最終セットの途中では雨による中断もあった。集中力を保つのが難しい状況だったものの、最後はしっかりと勝ち切った。

 「全豪の前に試合をこなすことは大事。緊張感を持って戦うことができていい準備になる」と16日にもう1試合をこなして本番を迎える。第5シードとなれば、ますます対戦相手はイチかバチかの勝負も挑んでくる。「きょうの相手のように、失うものがないから大事なポイントでも思い切り打ってくる。そういう相手とどう戦うかはメンタル面の戦い。まだまだ経験が必要」。4大大会の頂に上り詰めるには、これまでと違った心構えも必要になりそうだ。

 ≪32年佐藤次郎が全仏第4シード≫ 4大大会の日本人男子では佐藤次郎が1932年全仏オープンで第4シードとなっている。73年の世界ランク導入後では今回の錦織が最高位。女子ではクルム伊達公子が94年全米オープンと96年全豪オープンで第5シードとなっている。

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