逸ノ城 志願出稽古で遠藤に完敗 立ち合い高く課題浮き彫り

[ 2014年12月23日 05:30 ]

遠藤(右)に寄り切られる逸ノ城

 大相撲の“モンゴルの怪物”関脇・逸ノ城(21=湊部屋)が22日、幕内・遠藤(24)が所属する埼玉県草加市の追手風部屋に初めて出稽古した。角界随一の相撲のうまさを持つ“和製ホープ”と胸を合わせることで課題の立ち合いを克服するつもりだったが、結果は5勝9敗で負け越し。初場所(来年1月11日初日、両国国技館)で初対戦が決定的な2人だが、前哨戦初日はひとまず遠藤が制した。

 自ら志願して逸ノ城は遠藤の“ホーム”である追手風部屋に出向いたが、何をやってもうまくいかなかった。課題とする立ち合いが高く、得意の右を差せない。逆に相撲巧者の相手に左を差され、前まわしを握られ、そのまま簡単に寄り切られる相撲を連発。稽古終盤には珍しく「もう!」と叫んだほど。後ろに下がりながら強引に左上手から投げたり、捨て身の突き落としが決まった時は勝利を収めたが、14番取って5勝9敗と4つも負け越した。

 モンゴルの草原育ちで温厚な性格の持ち主で、普段は取材拒否をすることなどほぼ皆無の21歳。しかし、自身と同じ人気者のホープにうまいようにやられたことがよっぽど悔しかったのか、この日ばかりは落ち込んでいる様子。帰り際、車に乗り込む前に「あした(23日)からまたあるので頑張ります」と一言言い残すのがやっとだった。師匠の湊親方(元幕内・湊富士)は「うまい相手とやれば相撲の厳しさが分かる。遠藤はいい相手だ」と収穫があったことを強調。23日、さらに27、28日にも追手風部屋に出向く予定だ。

 一方の遠藤は逸ノ城について「やっぱり大きい」と200キロを超える重さには驚いていたものの「ちょうどきのう“世界の巨大生物”の番組を見ていたらホッキョクグマが出ていた。(逸ノ城は)白いから“きのうテレビに出てた”と思った」と前哨戦で勝ち越し冗舌だった。初場所では逸ノ城の関脇残留が決定的で、遠藤も平幕上位に番付を戻すため初対戦が濃厚。本場所の土俵では日本とモンゴルの人気者のどちらに軍配が上がるのか――。

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