白鵬“デリバリー稽古”調整!琴奨に注文「気持ちよく汗を…」

[ 2014年11月5日 05:30 ]

琴奨菊と稽古を行う白鵬(左)

 大相撲の九州場所(9日初日、福岡国際センター)で大鵬に並ぶ史上最多の32度目の優勝を狙う横綱・白鵬(29=宮城野部屋)が4日“デリバリー方式”の調整法で体を仕上げた。大関・琴奨菊(30=佐渡ケ嶽部屋)に対し、前日に自ら連絡を取って「出稽古に来てくれ」とオファー。計画通りに福岡県篠栗町の宮城野部屋で手合わせすると、研究中の妙技「後の先」の立ち合いで圧倒するなど稽古後には納得の表情を浮かべた。

 警戒する対戦相手の元へ白鵬自らが出向いて稽古を行うのが、これまでの場所前1週間の調整法だった。だが、史上最多のV32が懸かる今場所は違った。この日の前日、横綱は琴奨菊に自ら連絡を取って出稽古に来るように要請した。すると大関も「“出稽古に来てくれ。うちでやろう”と言われました。ありがたいことなので来させていただきました」と横綱のラブコールを快諾。同学年の幕内・豊ノ島(時津風部屋)を連れて早朝から宮城野部屋を訪れた。

 自ら手合わせしたい相手を自らの部屋に呼ぶ“デリバリー方式”での調整法を実現させた白鵬は、大関と三番稽古を敢行した。連続で15番取って14勝1敗と圧倒。稽古終盤には尊敬する双葉山が極めたとされる妙技「後の先」を試して勝利する場面もあった。稽古後には「勝ち負けではなく気持ち良く汗をかいた。横綱大関の稽古はなかなか実現するものじゃない」とご満悦の様子だった。

 自分よりも番付が下の関取衆が自らの元に稽古をつけてもらいに来る形が「理想」と以前から言い続けてきた白鵬。だが「いつからか、どこからか、横綱が行くようになった」とぼやく。朝青龍が天下を獲っていた時代、相手にケガをさせるような“荒稽古”が行われ、その頃から横綱との稽古を志願する力士は格段に少なくなっていた。

 稽古後、白鵬はうれしそうに琴奨菊、豊ノ島と稽古場で記念撮影。前日も錣山部屋に所属するモンゴル出身の十両・青狼を呼んで胸を合わせており、今後もこのスタイルを貫くのかどうかについては「そうですね」と肯定した。長年の理想を自らの手で実現し、5日後の初日に向け「いよいよという感じ」と気合も乗っていた。 

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