逸ノ城1敗キープ!24日は史上最速の大関戦が組まれる

[ 2014年9月24日 05:30 ]

<大相撲秋場所10日目>嘉風をはたき込みで破る逸ノ城(右)

大相撲秋場所10日目

(9月23日 両国国技館)
 “モンゴルの怪物”新入幕の逸ノ城が元三役で好調の嘉風を破り、1敗をキープした。11日目は大関・稀勢の里の対戦相手に抜てき。怪物の進撃が続くのか、大関が意地を見せるのか、大熱戦となりそうだ。横綱・白鵬は全勝を守り、1敗でほかに横綱・鶴竜が追っている。

 ざんばら髪の逸ノ城は懸賞を受け取る所作も堂に入ってきた。初日は一部を忘れてミスしたが“反復練習”で完璧だ。

 2横綱、2大関を倒して好調な嘉風との対戦。スピードを生かして動き回る相手に「ああいうタイプは苦手」と警戒していた。立ち合いで狙った左上手を取れず、突き放された。それでも冷静に動きを見極め、右で頭を押さえて、はたき込み。「引いてしまった。でも立ち合いはよかった」と勝因を分析した。

 1メートル92、体重199キロの体格だけではなく、ハートも規格外だ。元三役の平幕上位との対戦が控えていても前夜は午前0時すぎに就寝。「布団に入れば、すぐに眠ってしまう」。故郷モンゴルの遊牧生活では、夜にオオカミが家畜を襲いにきた物音で目覚める恐怖を何度も体験してきた。命の危険がない今は、どんな状況でも枕を高くして眠ることができるという。

 11日目は大関・稀勢の里との対戦が組まれた。年6場所制が定着した1958年以降、デビューから所要5場所での大関戦は雅山と並んで史上最速。新入幕での大関戦は07年秋場所の豪栄道以来だ。本人は「想像していなかった。うれしい」と本領発揮の舞台に胸を高鳴らせる。北の湖理事長(元横綱)は「(逸ノ城は)右上手でも相撲を取れる。がっぷりになれば怖い相手」と熱戦を予想した。モンゴルの新鋭が勝ち、新入幕で大関戦勝利となれば00年夏場所で千代大海、貴ノ浪を破った栃乃花以来の快挙となる。そして所要5場所での幕内2桁勝利となり、長岡(朝潮)、豊山、遠藤の6場所を抜いて最速記録も更新だ。記録ずくめ、注目の大一番が控えていても“怪物”は快眠して体調抜群で臨む。

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2014年9月24日のニュース