“ゴルフ界のカズ”細川4年ぶり首位 サッカーW杯見て発奮

[ 2014年6月20日 05:30 ]

12番でティーショットを放つ細川。ツアー4年ぶりの首位に立った

男子ゴルフツアー日本ツアー選手権森ビル杯第1日

(6月19日 茨城県笠間市 宍戸ヒルズカントリークラブ西コース=7402ヤード、パー72)
 05年大会優勝の細川和彦(43=茨城GC)が6バーディー、1ボギーの67と今季初めて60台で回り、谷原秀人(35=フリー)ら5人と首位に並んだ。シャフト交換によるショット復調で好スコアの足掛かりを得て、4年ぶりのツアー首位。細川は現在、賞金ランクによるシード権を失っており、復活シードに向けて一つでも上の順位を目指していく。

 自信を取り戻したベテランは強い。ツアー8勝、43歳の細川は「1Wやパットがかみ合った」と納得の表情。スコアを3つ伸ばして迎えた12番パー4は1Wでフェアウエーを捉えると、残り100ヤードの第2打を2メートルにつけてさらにスコアを伸ばすなど、6つのバーディーを奪った。

 昨季は賞金ランク82位でシード権を逃し、今季は最終予選会8位の資格でツアーに出場している。レギュラーツアーにフル参戦することはできないため下部ツアーに出場する週もあるが「若い選手が多く、みんな飛距離が出る。今年は出だしの成績が悪いこともあっていろいろ考えてしまった」と焦りが生じた。その焦りはスイングにも表れ「手打ちになって球が止まらなくなってしまった」という。追い打ちをかけるように、今月のミズノ・オープンではラフからのショットで手をひねり、痛みは指先から肩にまで及んだ。

 思い悩んだ末に「ダメもとでいいからシャフトを軟らかくしてみよう」と今週は1Wからアイアンまでのシャフトを全て取り換えた。従来のハードなXから1段階軟らかいSXに替えたことで振り抜きやすくなったという新兵器の威力は抜群。「硬くなった自分の体に合うタイミングが取れた」という。この日はフェアウエーを外したのは1、5番だけとショットの安定感が光った。

 今週はコースから約40分の自宅から通勤。W杯ブラジル大会が開催中とあって「サッカーをしている息子2人と見ています」という。今季はレギュラーツアーに5試合出場したが、予選落ちが4度、棄権が1度とまだ1円も賞金を稼げていない状況。“ゴルフ界のカズ”は「僕もサッカー日本代表みたいなもの。背水の陣で、負けたら終わりだから」と漏らす。首位に立つのは10年のパナソニック・オープン初日以来。復活へ、最高の幕開けとなったが「とりあえず予選を通過しないとね。一つ一つやらなければいけない」と気を引き締めた。

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2014年6月20日のニュース