有村“ふくこい”験担ぎ伊勢参りで必勝祈願

＜ミズノクラシック・練習＞勝って米ツアーへ！練習グリーンで明る表情の有村智恵

　国内唯一の全米女子プロゴルフ協会公式戦で、日本ツアーも兼ねる「２０１２ミズノクラシック～伊勢志摩～」が２日から３日間、三重県志摩市の近鉄賢島カンツリークラブ（６５０６ヤード、パー７２）で開催される。優勝して来季の米ツアー出場権獲得を狙う有村智恵（２４＝日本ヒューレット・パッカード）は大会前にお伊勢参りで必勝祈願。おさい銭２９５１円で“ふくこい”とばかりにバーディー合戦に臨む。

　腹を決めた顔だった。米ツアーへの道筋をつけるために、かねて大事な一戦と位置付けていた今大会。有村は冷静に思いを打ち明けた。

　「結果を考えると空回りをするので、意識しすぎず徐々につかんでいる調子の良さを結果につなげたい。いろんな覚悟を持って戦いたい」

　今月２８日から米ツアーの最終予選会（フロリダ州）が控える。２０位以内に入れば、来季のほとんどの試合に出場できる。だが、ここで勝てば過酷な最終予選会に臨まなくてもツアーカードを手に入れられる。０７年優勝で米参戦を果たした上田のようにだ。さらに、首位に約３０００万円差で３位の国内賞金女王争いでも望みをつなぐことになる。有村にとって今季最大のヤマ場なのだ。

　大会前日は９ホールを回って最終調整。夏場からストレートボールにこだわってきたが、秋になって「イメージが出なくなってきた」と違和感を覚えていたため、今週は持ち球のフェードに戻した。「得意分野」の１００ヤード以内の精度に手応えをつかみ「ショットもパットもアプローチも先週よりいいと思う。楽しみですね」と威勢のいい言葉が飛び出た。

　伊勢志摩に入った先月３０日には、伊勢神宮を訪ねた。ミズノクラシック出場時にお参りをするのは初めてだった。おさい銭は験を担いで「福来い」の２９５１円。なかなかの高額だが「願いをかなえてくれるなら」と財布のひもを緩めた。パワースポットの厳かな空気にも癒やされた。不思議なことに、１カ月近く悩まされていた右足の腿からふくらはぎにかけての痛みがなくなったという。「ビックリしました。伊勢神宮に行ったら治るなんて」。

　優勝するには通算１５アンダー近く出さないといけない。攻めるのみだ。お伊勢さまの力も借りて、バーディーを積み重ねる。

　▽来季の米女子ツアーの出場資格　主に今季の賞金ランクと予選会での順位によって決定する。賞金ランクは８０位以内、最終予選会は例年通りなら２０位以内（今季は未定）が出場者限定のエリート大会を除いたフルシードを得られる。主催者推薦でも出場はできるが、その場合は賞金額が加算されないため、優勝しない限りシード権獲得には至らない。