勇太 ツアー最年少10勝!ジャンボ超え26歳9カ月

[ 2012年10月8日 06:00 ]

優勝した池田勇太はトロフィーを肩に乗せてガッツポーズ

男子ゴルフツアー キヤノン・オープン最終日

(10月7日 神奈川県横浜市 戸塚カントリー倶楽部西コース=7191ヤード、パー72)
 池田勇太(26=日清食品)がツアー最年少での通算10勝目を挙げた。同じ10勝目が懸かっていた石川遼(21=パナソニック)との同組対決。2打差の首位から69で回り、大会レコードの通算17アンダーで逃げ切った。昨年7月以来の優勝は、2位に3打差をつけての完全V。敬愛する尾崎将司の記録を塗り替えた節目の優勝で、賞金ランクも2位に浮上。次なる目標を自身初の賞金王に定めた。
【最終R成績】

 眉間にしわを寄せ仏頂面、ムスッと口をとがらせる。勝ち運に見放されたそんな池田の姿はもうなかった。石川と同組で回った最終ラウンド。常にニコニコと白い歯がこぼれ、軽口を叩いて笑い飛ばした。

 18番グリーンに上がってきた時も心底うれしそうだった。2位とは2打差の安全圏。ラインを読んでいるだけでも自然と笑みがこぼれた。「池田勇太の復活という意味でもこの優勝は本当に大きい」。勝者のためのオンステージ。待ちに待った“10回目”を心置きなく満喫した。

 先月は3戦連続の2位。その中には不条理な“暗闇プレーオフ”での負けもあった。ただし、腐ることなく今大会は初日から首位を快走した。不安定なライバル石川とは対照的なゴルフを展開。5番のボギーで手嶋に並ばれても慌てず騒がず。12番で難しいパットを沈めてパーを拾うと、13番パー5では4Iで1・5メートルに2オン成功。鮮やかなイーグルで優勝への流れをつかんだ。

 1年ぶりの優勝といっても、それ以上に長く感じた1年間だった。昨季終盤に「ぶっ壊れた」というほど調子を崩し、今季前半も結果がついてこない。「いつ復活できるのか。不安に思いながら戦っていた」。転機は8月の熊本合宿。空き週を利用してゴルフと肉体を強化し直した。

 ある時には1日の練習を終え、トレーナーがアフターケアを済ませても、元気になった体で再び外へ。「勇太が行方不明になった」とトレーナーが捜していると、練習場で再び1Wをブン回していたという。それだけ気力と体力は充実。さらに、2年間で8勝した09~10年頃のアイアンを引っ張り出し、ショットの切れ味もよみがえったことも大きかった。

 これでツアー最年少の26歳9カ月で10勝目に到達した。尊敬する尾崎の記録を抜いたことには「うれしいし、名誉なこと」と喜びつつ、「ただ、すぐ遼に塗り替えられるけど」と付け加えて笑った。「10勝目までが長かった。11勝目はさっさと勝てるように頑張りたい。賞金王も獲れるように頑張るよ」。苦しい1年を乗り越え、有言実行の男が次なる目標をようやく口にできた。

 ≪ジャンボはツアー制施行前に14勝≫池田が1973年のツアー制施行後では尾崎将司を抜いて最年少の10勝到達となった。ただ、尾崎は71年の初勝利を皮切りに、日本プロ選手権など72年までにプロ競技で既に14勝(ツアー競技とは表記されない)を飾っていた。尾崎がツアー10勝目を飾った27歳8カ月の時点では、実際には24勝だった。尾崎は73~74年9月までの短期間でツアー10勝を挙げている。

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