錦織 格上破り日本人初4強「まるでアガシのようだ」

[ 2012年10月6日 06:00 ]

準決勝進出の決まった錦織は歓喜のガッツポーズ

男子テニス 楽天ジャパン・オープン第5日

(10月5日 東京有明テニスの森公園)
 和製アガシだ!シングルス準々決勝で、世界ランキング17位の第8シード、錦織圭(22=日清食品)は強気の攻撃に出て、同6位の第2シード、トマーシュ・ベルディハ(27=チェコ)に7―5、6―4でストレート勝ちした。ツアー公式戦となった73年の第2回大会以降では日本男子初のベスト4進出。6日の準決勝では世界ランキング46位のマルコス・バグダティス(27=キプロス)と対戦する。

 錦織は笑顔でほぼ満員のスタンドにガッツポーズを繰り返した。世界6位を破って、日本勢初の4強入り。期待が大きい分、重圧のかかる国内大会ではなかなか結果が出なかったが、「今までで一番いい試合だった」と自画自賛する最高のパフォーマンスだった。

 全米4強のベルディハを相手に、スタートから攻め続けた。「自分より上の相手なので、臆する要素はなかった。左右に振ることを考えていた」と早いタイミングで次々と仕掛けた。ミスが出ても恐れずに、際どいコースを狙って強気にラケットを振った。第1セットの第5ゲーム。7度目のブレークポイントで、最初のブレークに成功して主導権を握った。第2セットは1―3から4ゲーム連取。強気の攻撃で強敵を打ち破った。

 前日は超ハード日程だった。シングルス2回戦後にモナコ(アルゼンチン)と組むダブルス準々決勝に出場。負けた試合が終わった時には日付をまたいでいた。ベッドに入ったのは午前3時。それでも11時30分までぐっすり眠って疲労回復し「(フルセットだった)1、2回戦と打って変わって感覚が良くて、何を打っても入る状態だった」と万全の調子に整えた。

 ベルディハも脱帽だった。「速いプレーで相手にダメージを与える。まるでアガシのようだ」。積極的な攻撃スタイルで「世界一のリターナー」と呼ばれた4大大会通算8勝の名選手を引き合いに出して称賛した。

 準決勝の相手のバグダティスはランキングでは格下だが、06年全豪準優勝の実力者。錦織は過去3戦3敗と苦手としているが「思い切ったプレーができればチャンスはある」と強気に言った。日本人初となる、08年以来のツアー2勝目も夢物語ではなくなってきた。

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