誤算だった柔道と体操 リオへ「可能性」見極めを

[ 2012年8月14日 06:00 ]

閉会式に参加し、記念撮影でポーズをとる日本選手ら

 26競技302種目で頂点を争ったロンドン五輪が12日に閉幕した。293人の選手団を送った日本は「金メダル15個、世界5位」の目標を達成できず、金7個は世界10位。その一方で銀、銅を合わせたメダル総数38個は史上最多。その検証と同時に16年リオデジャネイロ五輪に向けての課題を探った。日本選手団は14日帰国する。

 3度目の開催となったロンドンに歴史上初めて選手団を送り込んだ日本は、史上初めて「金メダル15個、世界5位」という目標を明文化し、五輪に臨んだ。結果は金7個と目標の半分にも達せず、世界10位と沈んだ。その一方で、メダル総数は史上最多の38個を数え、決勝種目が行われた16日間は一日も欠かさずメダリストが誕生した。

 目標に照らせば「惨敗」という位置づけだが“誤算”の競技は偏っている。「5個以上」として1個だった柔道と、「3個」を目標として1つにとどまった体操が、その中心だろう。ともに過去、日本が獲得した金メダル数に占める割合は1位と2位。数字が明文化されることで、金メダルは「目標」ではなく「義務と責任」に変わった。それが調整過程から選手の動きを硬くし、本番で実力を発揮できない事態につながったのではないか。対して3連覇など個人の目標が明確だったレスリングは金メダル4個。アプローチと結果の違いは、関係者の胸に刻まなければならない。

 一方、卓球やバドミントン、重量挙げ、ボクシングなどは新たな歴史を刻むメダルが生まれた。これは、味の素ナショナルトレーニングセンターという練習拠点の安定化が大きく作用したことは間違いない。また、選手支援のためにロンドン市内に設置されたマルチサポートハウスが、食事や体のケアなどで効力を発揮したことも指摘したい。

 日本は今、スポーツの強化費を実績に応じた傾斜配分にしている。今回の結果は次回以降の配分につながる。ここで重要なのは、実績だけにとらわれず、多くの競技がロンドンで示した「可能性」にも着目しなければならないということ。20年五輪の招致を目指す日本にとって、16年五輪の結果は大きな意味を持つ。短期的な費用対効果を求める強化にしてはいけない。

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