琴欧洲 天敵一蹴5連勝!奨菊&稀勢台頭に闘志

[ 2012年1月13日 06:00 ]

<大相撲初場所5日目>琴欧洲が寄り切りで隠岐の海を破る

大相撲初場所

(1月12日 両国国技館)
 在位36場所の現役最古参大関・琴欧洲が苦手の隠岐の海を寄り切り、10年秋場所以来7場所ぶりに5連勝発進した。昨年後半に日本人大関が相次いで誕生して闘志が再燃。08年夏場所以来2度目の優勝を狙う。平幕の朝赤龍に土がつき、全勝は白鵬ら4人となった。

 口を真一文字に結び、平静を装って花道を引き揚げた琴欧洲も、風呂から上がると自然に頬が緩んだ。8連勝した10年秋場所以来となる無傷の5連勝。しかも昨年技量審査場所の初対戦から3連敗を喫した天敵に快勝となれば、喜びも格別だ。立ち合いで左、右と上手を浅めにつかむと一気に引きつけた。相手のすくい投げにも構わず前に出ての完勝。「よかったです」の短い言葉にも実感がこもっている。

 師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)は日本人大関が発奮材料になっていると指摘する。「あの2人に負けていられない、という気持ちが見える」。初土俵は02年九州。すぐに頭角を現し、先にデビューした琴奨菊(同年初)稀勢の里(同年春)をあっさりと追い越し、史上最速の19場所で大関の座をつかんだ。しかし近年はひざのケガなどもあり優勝争いにも絡めず、昨年は2度の途中休場もあり年間32勝どまり。着実に地力を蓄えた2人に地位でも並ばれた。06年初場所から在位6年に及ぶ“先輩”としての意地もあった。

 新しい家族の存在も好調を支える要因だ。昨年11月に第1子となる長男が誕生。愛知県出身の麻子夫人が帰郷して出産したこともあり、先月末からようやく部屋近くの自宅で一緒に住み始めた。おしめを替えたり、風呂に入れたり、世話を焼くのは楽しみの一つ。「帰って子供の顔を見るのが楽しみ。相撲を頑張らなきゃいけないという気持ちになる」と子煩悩な一面も見せている。本来の力強さを取り戻し、21場所ぶりの賜杯奪還へ。影が薄かった最古参大関のの姿が久々に大きく映っている。

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2012年1月13日のニュース