慶大 下克上だ!リーグ王者の流通経大に完勝

[ 2011年12月19日 06:00 ]

<慶大・流経大>流経大を下して2回戦に進み喜ぶ慶大フィフティーン

ラグビー全国大学選手権 慶大39-24流通経大

(12月18日 秩父宮)
 1回戦8試合が行われ、関東対抗戦グループ5位の慶大が、関東リーグ戦グループで初優勝した流通経大を39―24で下す下克上で2回戦に進出した。早慶戦完敗後、3週間でタックルを中心に見事に立て直し、巨漢FWを擁するリーグ戦の覇者に持ち味を出させなかった。慶大は2回戦で関西王者・天理大と対戦。筑波大もリーグ戦2位の東海大に競り勝ち、帝京大、早大、明大を合わせて対抗戦5チームが全て勝ち上がったのは4季ぶり2度目となった。

 試合終了後のクールダウン中に、選手一人一人と握手した田中監督は、いつものように感情豊かな表現で言った。「対抗戦5位という結果の中、苦しみ、もがき、悩んで多くのものを学んだ」。24―54と完敗した早慶戦から3週間。慶大は別のチームになっていた。

 1メートル85、120キロ。流通経大の要、No・8イシレリは止められなかったが、平均体重で約8キロ劣るFWは負けなかった。タックルと接点でのボール争奪戦を意味するブレークダウン。流通経大のFWの突進を阻んだだけでなく、バックスへ確実にボールを供給した。

 早慶戦後、自らロックからNo・8への転向を希望した栗原が振り返る。「早慶戦は何もかもうまくいかなかった。何を取り戻すか。慶応はタックルじゃないかと」。膝までの高さしかないタックルダミーが10個、用意された。低く、速いタックルを繰り返した。

 「もう一つは、ブレークダウンへの内側からの速い寄り。この2つを徹底的にやった」。選手の自主性を重視する田中監督の下、選手が決めた方針だった。そして1週間前、同じ練習をしたBチームがジュニア選手権で2連覇。仲宗根主将は「3週間やってきたことが正しかったと、自信を持てた」と話した。

 リーグ戦優勝校が選手権1回戦で敗退するのは95年の大東大以来16年ぶりだが「次も関西1位の天理大。ここで勝ってこそ大学日本一」と仲宗根主将。昨年のメンバー22人から17人が卒業し、田中監督就任で指導陣も変わった。対抗戦3勝4敗と苦しみ、掲げた合言葉は5位からの優勝を狙う「ミラクル5」。慶大がまず、1つ目の奇跡を達成した。

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2011年12月19日のニュース