福士区間3位 1月大阪国際で野口と初対決!

[ 2011年12月19日 06:00 ]

【第31回全日本実業団対抗女子駅伝】3区で力走するワコールの福士。

スポニチ後援全日本実業団対抗女子駅伝

(12月18日 宮城・松島町中央公民館前~仙台市陸上競技場の6区間42・195キロ)
 東日本大震災復興祈念大会として岐阜から宮城に場所を移して行われた大会で、女子3000、5000メートル日本記録保持者の福士加代子(29=ワコール)が3区(10・9キロ)を走り36分0秒で区間3位だった。レース後には来年1月29日の大阪国際女子マラソンでロンドン五輪切符を狙うことを表明。大阪国際には04年アテネ五輪金メダリストの野口みずき(33=シスメックス)も出場の意向で、トラックとマラソンの女王が初めて42・195キロで激突することになった。なお第一生命が2時間17分17秒で優勝した。

 被災地を懸命に駆けた。3区で福士にとっては不本意な区間3位。13位でタスキを受け一時は2位まで浮上したが、ラスト1キロで息切れし、6位まで後退した。失速の理由について、所属するワコールの永山監督は「駅伝の練習をやっていないんで、ラストの切れがなかった」とマラソンを見据えたトレーニングを続けている影響と説明した。本来の走りではなかった。それでも表情には充実感があふれていた。

 本来、今大会にエントリーする予定はなかった。だが、福士ファンの被災者からチームに「福士さんが走っている姿を見たい」という手紙が届いた。永山監督は「青森出身の福士が走ることで思いが通じるなら」と最長3区に投入した。塩釜市から仙台市までの10・9キロを力走した福士は、「沿道から“ありがとう”って言われて不思議な感じがしましたね」と笑みを浮かべた。

 被災地のファンに元気な姿を披露し、いよいよ五輪切符獲りに挑む。閉会式後、永山監督とともに会見。「1月の大阪国際に出ます」と大阪国際出場を表明した。アテネ五輪金メダリスト野口と初めてマラソンで激突する。「相手は全然、気にしていない。だって、誰か出てくるでしょ」と野口を意識したかのようなコメントも口にした。

 大阪国際には因縁もある。初マラソンだった08年大会では終盤に4度も転倒するなどフラフラになって19位に終わった。そのリベンジの思いも背負って走る42・195キロ。「しっかりとした準備をして迎えたい」。今後は国内で調整。野口らライバルを蹴散らし、過去に決別して五輪切符をつかむ。「トラックの女王」の決意は固まった。

 ▽五輪女子マラソン代表選考 ロンドン五輪女子マラソンの代表枠は3。今夏の世界選手権でメダルを獲得して日本人最上位なら代表に内定したが、赤羽の5位が最高で内定は出なかった。国内選考レースは横浜国際、大阪国際、名古屋ウィメンズの3大会。各大会の上位から、日本陸連が五輪で戦えると判断した選手を選出する。五輪代表選考レースでは初めて、全レースでペースメーカーを導入。横浜国際は木崎が優勝し有力候補に浮上した。大阪国際は野口、福士の他にアテネ五輪7位の坂本も出場。名古屋ウィメンズは北京五輪13位の中村、世界選手権10位の中里、横浜国際2位の尾崎、渋井らが出場を予定している。

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2011年12月19日のニュース