遼、米ツアー自己最高4位…初Vは全米プロで!

[ 2011年8月9日 06:00 ]

優勝したアダム・スコット(右)と健闘を称え合いガッチリと握手を交わす石川遼

ブリヂストン招待最終日

(8月7日 米オハイオ州アクロン ファイアストーンCC=7400ヤード、パー70)
 石川遼(19=パナソニック)が米ツアーの自己最高位を更新した。首位に1打差の2位から米ツアー初の最終日最終組で回り、一時首位に並ぶなど奮闘。優勝した同組のアダム・スコット(31=オーストラリア)に14、15番で引き離されたものの、5バーディー、4ボギーの69で通算12アンダーとし、5打差の4位に踏ん張った。今年最後のメジャーとなる全米プロ(11日開幕、アトランタ・アスレティックC、ジョージア州)に弾みをつけた。

 緊張やおびえもなく、世界のトップクラスと互角に渡り合った。米ツアーでは初めての最終日最終組。2、3番の連続バーディーで首位に並んでも石川の心中は穏やかだった。「3日目より落ち着いていた。本当に優勝を争っているのかなというぐらいだった」。4番のボギーで1差に後退したが、焦りも気負いもない。前半はピンを果敢に攻めた石川が34。安全策に徹したスコットも34。それぞれのやり方で1打差を変えず折り返した。

 「コースは練習場」と言い聞かせ「徐々に勝負に入っていこう」と意識を変えていったが、残り5ホールで流れが動いた。14番パー4、2打差を追う石川は第2打を左カラー4メートルにつけた。スコットはグリーン中央を狙って9メートル。しかし、スコットのバーディーパットが先に決まり、石川は外した。続く15番パー3は手前12メートルにつけたが、バーディーパットはカップの右を抜けて2メートル先まで転がった。スコットは3メートルのパーパットをねじ込み、石川は痛恨のボギーで4打差となった。スコットが「15番は大きかった。リョウが3パットしなければ違った結果になったかも」と振り返った分岐点。4日間で唯一となった石川の3パットが勝敗を分けた。

 最終18番のボギーで2位も逃した。ただ、今までは見えなかった米ツアー優勝への道筋を感じることができた。今シーズンはパッティングに悩んできたが、今大会の平均パットは25・3で2位とスコアメークを支えた。大会前に板でパターヘッドとボールを隠す独特の練習を行ったことで、ストロークが固まった。

 渡米前の長嶋茂雄招待セガサミーカップで尾崎将司から指導を受けたインパクトからフォロースルーを長くするアイアンショットも光明を見た。ストロークプレーでは今年のマスターズ(20位)を上回る米ツアー自己最高の4位。19歳の進化をウッズは「09年に全英オープンで見たときは一つの球筋しか打てなかった。今はいろいろなボールを打とうとしている。いつか大きなことをやってのけるだろう」と絶賛。将来のメジャー制覇の可能性すら示唆した。

 「負けたことは悔しいけど、凄く面白かった。こういう瞬間を味わえてよかった。できるだけ近い将来にまた優勝争いに絡みたい」。悔いはある。だが、米ツアー最高成績に自信と期待は大きく膨らんだ。今度こそ――。次なる大舞台、全米プロはすぐに始まる。

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