遼くん逆転白星の“レーザースーパーショット”

[ 2010年2月19日 06:00 ]

ラウンドを終えた石川遼はTVの取材に応じる

 世界ゴルフ選手権アクセンチュア・マッチプレー選手権第1日は17日、米アリゾナ州マラナのリッツ・カールトンGC(7849ヤード、パー72)で行われ、初出場の石川遼(18=パナソニック)がオーストラリアの新鋭、マイケル・シム(25)を2アップで下した。オールスクエアで迎えた17番パー4の2打目に“レーザースーパーショット”を見せてリードを奪うなど、終盤を3ホール連続で奪って粘り勝った。2回戦は第1シードのスティーブ・ストリッカー(42=米国)を破ったロス・マクゴーワン(27=英国)と対戦する。池田勇太(24=日清食品)はニック・ワトニー(28=米国)に4&3で敗れた。

 オールスクエアで迎えた17番パー4で、石川が自力で勝利をたぐり寄せた。ティーショットを右のバンカーに入れて残りは165ヤード。7番アイアンでコントロールしてグリーン中央に乗せる安全策も脳裏によぎったが、選んだのは8番のフルショットでピンを狙う積極策だった。
 「16番あたりまではしっかり自分のゴルフを守ったんで、17、18番は今までで一番アグレッシブに攻めたいという気持ちだった」
 この日は何度もバンカーにつかまり、バンカーから打つのはこれが7度目。砂の感触もはっきり分かっていた。フルスイングの一打は吸い寄せられるようにピンの右20センチにぴたり。米ツアーのインターネットラジオでアナウンサーが「レーザースーパーショット!!」とほえた一打だった。「距離感があれだけ合ったのはラッキー」。18番でもバーディーを奪い、終わってみれば最後の3ホールを3連取。世界ランク35位の石川が、同ランク38位のシムを実力通り下して2回戦進出を決めた。
 終盤に差し掛かるまでは、緊迫した展開だった。3、4番を連続で奪ったものの、シムに7、8番を奪い返されると、その後はこう着状態。15番で初めて1ダウンとなって均衡が崩れかけたが「気持ちを切り替えなきゃと思った」と粘りを見せ、直後の16番では相手のミスもあって再びオールスクエア。この踏ん張りがスーパーショットにつながった。
 とことん勝負にこだわった。ラウンド後、石川は「勝たなきゃ意味がない。ここに来て1回だけプレーしておしまいになるのと、勝ち進んでいくのでは絶対に違う経験になる。その経験を今後の日本ツアーで生かすためにも、すごく勝ちたかった」とその心境を明かした。次は世界ランク66位のマクゴーワンとの対戦。「自分がやるべきことに変わりはない。浮足だたないように注意するだけ」。気を緩めることなく2回戦へ。勝つことで得られる経験はまだまだある。

 ▼M・シム 17番のショットはアンビリーバブルだった。僕はウッズやオギルビーとも一緒に回ったことがあるけど、彼らに負けないくらいの可能性を感じたよ。リョウはスーパースターになる。

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2010年2月19日のニュース