杉山が今季限りで引退 東レ・パンパシフィックが最後

[ 2009年9月9日 15:59 ]

女子ダブルス3回戦で、中国ペアに敗れた杉山(手前)は引退を決意

 テニスの四大大会の女子ダブルスで3度優勝するなど日本女子の第一人者として長く世界で活躍してきた杉山愛選手(34)=フリー=が9日、今季限りでの現役引退を表明した。マネジメント会社を通じ「瞬間的に良いパフォーマンスができたとしても、年間を通じてそれができないと分かった時が、完全燃焼の時、引退の時だと考えていた」とコメントした。

 開催中の全米オープンで、史上最多の4大大会連続出場記録を62回に伸ばした杉山選手は11日に帰国し、記者会見する。27日開幕の東レ・パンパシフィック・オープン(東京・有明テニスの森公園)が現役最後の試合。今後については「テニスやスポーツを通じて恩返しをしていきたい」とし、選手の育成や子どもの教育、社会貢献活動に携わる予定。
 杉山選手はジュニア時代から頭角を現し、1992年に17歳でプロ転向。抜群のフットワークと得意のバックハンドを武器に、シングルスの世界ランキングは最高で8位を記録した。
 今季は春先から不調が続き、全米オープンもシングルスは1回戦で敗退。「世界ランキングで20~30位の間で戦いたい」と臨んできたが、最新ランクは71位まで落ちていた。

 ▼杉山愛の話 わたしは近い将来のイメージをしっかり見据えることができるタイプだと思いますが、現時点では来シーズンのことが見えていないのが正直なところ。瞬間的にいいパフォーマンスができたとしても、年間を通じてそれができないと分かった時が完全燃焼の時だと思っていましたし、引退の時だと考えていました。これからはテニスやスポーツを通じて恩返しをしていきたいと思います。

 ▼村上武資フェド杯日本代表監督の話 単複のランキングで10位以内に入り、4大大会のダブルスを三つも制覇。日本のテニス史で彼女以上の存在はない。今後は日本代表の育成も手伝ってもらいたい。

 ▼渡辺康二・日本テニス協会専務理事の話 まだまだできると思うので残念。今年は初戦敗退が続いて精神的につらかったのかもしれない。4大大会で62回も連続出場するのは、野球の衣笠祥雄さんのように超人的なことだ。

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2009年9月9日のニュース