遼くん厳戒態勢も「爆発的スコア出そう」

[ 2008年11月28日 06:00 ]

大勢のギャラリー、関係者、警備員などを引き連れホールを移動する石川遼(中央)

 爆破事件などで揺れる男子ゴルフツアーのカシオ・ワールドオープンは27日、高知県安芸郡 Kochi黒潮カントリークラブ(7300ヤード、パー72)で初日を迎え、石川遼(17=パナソニック)は首位と4打差の20位につけた。警察官約170人など大量の警備要員が動員され、上空にはヘリコプター、会場入り口では厳重な検査を実施。厳戒態勢の中でのラウンドは、スイングに不満があったと言うが、3バーディー、1ボギーの70にまとめ、予選通過で決まる賞金1億円突破に大きく前進した。

【Go!アスリート 石川遼 第1R結果】

 170人中約70人の高知県警の警察官が、会場内外に配置され、選手には、大会期間中に延べ800人が動員される制服を着た警備員がついた。ギャラリーの中では私服警官が鋭い目を光らせ、上空ではヘリコプターが爆音を響かせる。駐車場には機動隊爆発物処理班と爆発物処理車両が待機。ゴルフの大会とは思えない雰囲気の中、注目の初日は行われた。
 石川の周りには、通常の倍以上の14人のギャラリー整理員。「違和感はなかった。ギャラリーも多く、そんな騒動があったのかなと思ったくらいだった」と振り返ったが、整理員に囲まれてぞろぞろと移動する光景はやはり異様だ。それでも、しっかりとスコアメークし、首位と4打差の20位でホールアウトした。
 しかし、石川にとっては不満の残るラウンドだったようだ。「スコア的にはいいかもしれないけれど、いいプレーをしている感じがしない」。フェアウエー幅は平均25ヤードと広いにもかかわらず、フェアウエーを外したのは14回中7回。ドライバーに不満を募らせた。
 「気持ちが縮こまっているのか、スイングアーク(クラブヘッドが描く弧)が小さくなって最大限で打てないから、ぶれるんです」。530ヤードの18番パー5で2オンに成功。8メートルのイーグルパットは外したものの、バーディーを奪ってギャラリーを喜ばせたが、いつもの攻める気持ちが前に出てこなかった。
 騒動の影響は否定したものの「ここ最近、スイングが良くなってきて満足した自分がいたかな」と気持ちの面での反省を口にした。「進歩のないラウンドをした」とアテスト後すぐにドライビングレンジへ。父・勝美さんの鋭い目が光る中、約40分間の反省会をした。
 ゴルフは不満だった石川だが、ギャラリーは昨年より776人多い2510人と、集客力は爆破騒動を吹き飛ばした。2日目に予選を通過すれば、史上最年少の賞金1億円突破を達成する。テレビインタビューでは「爆発的なスコアが出そうです」と少し危ない発言も飛び出したが、快挙は確実に手元に手繰り寄せた。

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2008年11月28日のニュース