在日外国人の王者誕生!国体ボクシング

[ 2008年10月2日 17:49 ]

お互いの優勝を喜び合う、ボクシング成年ミドル級の朴忠南(左)と少年ミドル級の尹成得

 大分国体第6日は2日、大分県で行われ、サッカー女子は埼玉(浦和)が、なでしこリーグのTASAKIで2連覇を目指した兵庫を2―0で下して初優勝した。少年男子は神奈川が5年ぶりに制した。

 ボクシングの少年ミドル級は尹成得(大阪・大阪朝鮮高)が勝ち、朝鮮学校生などの在日外国人の出場が可能になった2006年兵庫国体から3年目で初の優勝者となった。
 バスケットボール成年男子は千葉が2連覇、自転車少年スプリントは等々力久就(長野・岡谷工高)が高校総体に続き1位となった。

 ≪国籍の壁を越えた!≫気迫を込めた右フックと左ストレートで最後まで攻め続けた。ボクシングの少年ミドル級決勝で判定勝ちした尹成得(大阪・大阪朝鮮高)は「最高にうれしい」と感極まった表情で両手を突き上げた。2年前から参加可能となった国体で、国籍の壁を越えた初のチャンピオンが誕生した。
 中学校まではサッカーに明け暮れ、高校1年から人一倍の練習量ですぐに頭角を現した。決勝ではリーチで上回る岡田(静岡・浜松工高)に「気持ちだけは負けられない」と逃げなかった。
 日本体協は国体改革で2006年の兵庫から朝鮮高級学校の生徒や日系ブラジル人ら、永住資格を持つ在日外国人に門戸を開放。泉正文国体委員長は「一つの歴史的な結果」と感慨深げだ。
 成年ミドル級で勝った朴忠南(京都・同大)は、大阪朝鮮高出身で高校総体と高校選抜大会の優勝経験がある。「僕らの時代は国体に出られなかった。やっと三つ目の夢がかなった」と後輩と肩を抱き合った。

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2008年10月2日のニュース