バイアグラは禁止すべき? WADAが検討

[ 2008年6月28日 15:29 ]

 性的不能治療薬「バイアグラ」にスポーツでの競技力を向上させる効果はあるか―。北京五輪を目前に控え、こんな議論が起こっている。AP通信によると、世界反ドーピング機関(WADA)も禁止薬物リストに加えるかどうかの検討に入ったという。

 バイアグラには血管を拡張する効果があり、理論上はこれにより血液の酸素運搬が促進される可能性がある。米ニューヨーク大医学部のマカルー博士は「より多くの酸素が筋肉に届けば、より多くのエネルギーが生まれる」と指摘。初期的な研究結果では、バイアグラを服用した自転車選手の競技力が約40%も向上した例があるという。
 ただ治療薬を健康な人が使った場合、正常な血管がさらに拡張するかなどの疑問もある。英グラスゴー大のマグラス教授は「あくまで問題を修復するのがバイアグラの働きだ」とくぎを刺す。
 専門家の間でも意見は分かれるところだが、将来的に禁止薬物に指定された場合も、選手には「治療目的の特例」として使用が認められるケースもある。ただ事前の申請が必要となり「それはあまりにばつが悪いだろう」と気遣う関係者もいる。(共同)

続きを表示

2008年6月28日のニュース