千葉市の「学校ウサギ」最後の1羽の里親が決定 ボランティアグループが世話をしてきた子供に感謝状
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ピーク時に500羽以上いた千葉市の「学校ウサギ」がついにゼロになった。最後の1羽、モカ(雌、8歳くらい)が、新たな飼い主との相性を確かめるトライアル期間を経て、23日に正式に里親が決定。全てのウサギの譲渡が完了し、ウサギの飼育環境改善活動や里親探しをしているボランティアグループ「ラビネス千葉」から、これまでモカの一時預かりをしてきた小学生の兄弟に感謝状が送られた。
約7カ月間、自宅でモカを預かり、JR品川駅の新幹線の改札近くで京都市の女性に涙しながらモカを手渡した千葉県習志野市の睦葵(むつき)君(9歳)は「里親さんが見つかってうれしい気持ちと、別れなくちゃいけない気持ちがあって複雑です。とにかく幸せになってほしい」と話し、弟の葵杜(あおと)君(6歳)は「寂しいです。優しくしてあげてほしいです」と声を震わせた。
近年、気候変動による夏の猛暑などでウサギが屋外の飼育小屋で体調不良となって死に至るケースや、働き方改革での教職員の負担軽減で休日の餌やりなど適切な世話をすることが難しくなり「学校ウサギ」の飼育をやめる動きが広がっている。ウサギは気温の変化に弱く、適正温度が18~24度で24時間の温度管理が必要なことなど詳しい飼育方法が知られるようになり、現在の状況が「命を大切にする」教育に逆行してきていることも学校ウサギ廃止の一因になっている。
千葉市では、03年のピーク時には500羽以上が飼育されていたが、23年に「学校ウサギ」の廃止を決め、屋外飼育から徐々に室内飼育に移行。同時に、地域ボランティアと協力しながら、里親探しや里親が見つかるまでの一時預かり、夏休みなど長期休み期間の臨時預かりを推進してきた。そして、このほど、最後の1羽、モカが京都市の女性に正式に譲渡された。
学校での飼育動物を巡っては、24年8月に文部科学省が都道府県教育委員会などに「学校における動物の飼育について」と題した通知を出し、適切な環境と態勢を整えるよう要望。この通知では、休日でも清掃や餌やりなどができるようにすること、獣医師や動物看護師などの指導の下に飼育できるようにし、動物がケガや病気をした時には適切な措置を講じられる態勢や予算を整えることなどが挙げられている。
◇モカの里親になったのは京都市の女性「昨年12月にお空に旅立ったうちのモカというウサギにそっくり」
〇…モカの里親になったのは、京都市下京区の鈴木亜紀さん(54)。モカの里親募集をSNSで知ったという鈴木さんは「昨年12月にお空に旅立った、うちのモカという名前のウサギにそっくりだったんです」と明かした。今年2月23日に上京してモカに面会、3月28日に再び上京して睦葵君、葵杜君の兄弟から預かり、トライアルを経て、このほど「家族として迎えたい」と正式にモカの里親となることを決めた。
◇学校飼育で多い動物 1位・ウサギ56・2%、2位・カメ35・3%、3位・モルモット7・2%
,〇…24年の文科省の小学校における動物の飼育状況調査(全国の公立小学校1万8608校のうち無抽出による1235校)によると、約6割の学校で動物を所有したり、他施設から貸し出しを受けたりして飼育しており、残りの約4割の学校でも児童個人所有の昆虫などの動物を教室で飼育している。
学校が所有している動物の種類は、哺乳類が27・9%、爬虫(はちゅう)類15・6%、鳥類2・8%、それ以外の動物(魚類・両生類など)67・2%。また、具体的(家庭動物飼養保管基準の対象となる動物)には、ウサギ(56・2%)、カメ(35・3%)が多く、モルモット(7・2%)、ニワトリ(3・8%)となっている。
◇千葉県内の学校ウサギ、八千代市も屋外→屋内、今月でゼロ、習志野市は縮小へ、船橋市は屋外飼育継続
〇…千葉県内の自治体の「学校ウサギ」への対応はさまざまだ。八千代市は、群馬県伊勢崎市で41・8度を観測するなど史上最高の平均気温となった昨夏に屋外から室内飼育に変更。残っていた1校の2羽が今月に地域の人に譲渡され、ゼロとなった。また、習志野市は現在9校で12羽を飼育しているが、縮小方向で検討中。廃止を考えており、学校側と話し合いを進めるという。一方、船橋市は、数校で獣医の指導の下、飼育しているとし、屋外での飼育も継続していくとしている。












