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北朝鮮「クラスター弾」 金正恩氏と娘の前で試射 世界に戦闘的威力誇示と同国メディア

[ 2026年4月21日 05:30 ]

ミサイル総局が実施した戦術弾道ミサイルの試射を視察する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(手前右)と娘(同左)(朝鮮中央通信=共同)

 北朝鮮メディアが20日、同国のミサイル総局が改良された戦術弾道ミサイル5発を19日に試射し、搭載した「クラスター弾」とみられる兵器の威力を確認したと報じた。クラスター弾は親爆弾が空中で破裂し、中に仕込まれた何百発もの子爆弾が広範囲にわたりばらまかれ、軍事車両や建物だけでなく人体にも破壊行為が及ぶ兵器。非人道的として製造、使用を禁止する「オスロ条約」に多くの国が署名している。北朝鮮は米国、ロシア、中国、韓国などとともに同条約に署名していない。

 19日の試射は、娘ジュエ氏を伴って訪れた金正恩朝鮮労働党総書記の前で行われた。試射したのは、短距離弾道ミサイル「KN23」を小型化したタイプで、136キロ先の島一帯を標的とした。朝鮮中央通信は、クラスター弾により12・5~13ヘクタールを「高い密度で撃ち、戦闘的威力を余すところなく誇示した」と報道。金正恩氏は「さまざまな用途のクラスター弾の弾頭が開発・導入され、我が軍の作戦上の需要をより効率的に満たすこととなった」と述べた。

 クラスター弾は、今回の米イスラエルのイラン攻撃で、イランがイスラエルに打ち込んだとして改めて注目された。子爆弾には大量の小さな鉄球が仕込まれることもあり、爆発すると、超高速で人体を貫通。民間人にも深刻な被害が出る。

 軍事フォトジャーナリストの柿谷哲也氏は「1発で敵の一個大隊を無力化する威力がある」と指摘。不発弾は地雷のような存在となる。「爆弾の威力に加え“空から鉄の雨が降ってくる”と心理的恐怖をあおる。戦略兵器に近い戦術兵器」と解説。威力が大きすぎて使いにくい面もある核に比べ“現実的な兵器”との指摘もある。

 北朝鮮は核開発が注視されてきたが、2022年頃からクラスター弾の開発も公にしている。今月上旬にも試験を実施。ただ今月上旬の試射には金正恩氏は立ち会っていなかった。柿谷氏は「金正恩氏と娘が“我々もクラスター弾を持っているぞ”と世界に向けて宣伝した効果は大きい。特に在韓米軍、韓国軍には脅威になっているはずだ」とした。

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