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「ナフサ」不足で家建たず 復旧のメドも立たず 影落とす中東情勢

[ 2026年4月20日 05:30 ]

ナフサなど石油製品のサンプル
Photo By 共同

 中東情勢の混乱で原油の供給不安が続く中、石油製品の液体「ナフサ」が供給不足に陥り、建築業界を直撃している。中でもナフサ由来のシンナー不足が深刻で、入手困難になったり、国際価格が急騰している状況だ。シンナーは自動車や家具など塗装や塗料に必要不可欠で、大量に使用する住宅建設やリフォーム工事の現場では影響が顕著。事態を重くみた日本塗装工業会は14日に政府に対し、工事業者まで行き渡るよう要望書を提出した。

 供給元でもある大手メーカーの日本ペイントホールディングスは3月19日に最大75%の値上げを行った。シンナーは代替品がなく「自助努力も限界がある。ナフサが入ってこないため値上げと出荷調整をせざるを得ない」と現状を語った。

 また、ナフサはシンナーに限らず幅広い建築資材の原材料となっている。壁や床のクロスを貼る接着剤や浴槽のコーティング剤も品薄状態。クロス販売メーカーのサンゲツは最大30%の値上げを発表し、TOTOやLIXILはユニットバスの一時受注停止や納期未定などを公表した。壁などのクロスや浴槽は住宅建設に欠くことはできず、すでに各地でマンションの大規模修繕などが延期されるなど影響が出ている。宿泊業を営む会社社長(55)は今年に入ってから東京・浅草に旅館を建設予定だったが「資材の供給が止まり、建設が進まない状態」と頭を抱えた。

 住友商事グローバルリサーチの鈴木直美シニアアナリストは「原油の供給が増えなければ根本的な問題解決にはならない」と指摘し、「4~6月に影響が本格化するだろう」との見通しを示した。

 実際、大阪市内でリフォームなどを請け負う建築業社長は「4月に入り原材料の発注で納期未定という見積もりをもらうことが増えた」と話した。加えて心配するのはエアコンの室外機と室内機をつなぐ冷媒管の不足。樹脂材や鋼管に石油製品は不可欠で「現状は品薄ながら在庫はある状態。ただ、ゴールデンウイーク以降は難しくなるかもしれない」と話した。特に影響が大きいのは一般家庭よりも業務用の空調でこのまま品薄が続けば不具合が生じても復旧が見込めない可能性もある。

 原油の安定供給が見通せないまま、日本列島は“酷暑”を迎える可能性が出てきた。

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