ふるさと納税 キーワードは「体験型」と「オンリーワン」
新年が始まってから2カ月が経過した。好きな自治体に寄付してお得な返礼品をもらえることで人気の「ふるさと納税」は年明けに控除限度額がリセットされるため、「今年はどこに寄付しようか」と思案している人も多いはず。自治体によるふるさと納税の運営を支援する「レッドホースコーポレーション」に注目の返礼品やキーワードを挙げてもらった。
昨年10月1日に経費や地場産品に関するルールが厳格化されて4カ月が経過。レッドホースコーポレーションの中川智博執行役員は全国の自治体との打ち合わせを重ねる中で「(自治体側に)経費を圧縮したいというニーズが強く出てきている」と明かす。
返礼品の中では肉や日用品が不動の人気を誇ってきたが、拡大が見込まれるのは「体験型」だ。その自治体内で使えるクーポンやサービスなど観光需要を掘り起こすような返礼品は「自治体の重荷になっている送料がかからないという点も大きい」という。
中川氏によると、ふるさと納税の利用者層は40~50代が中心。「この世代が好む旅行先が結構寄付を集めている傾向にある」と指摘する。寄付額8万5000円でスキー場のリフト・ゴンドラ1日券(3枚)をもらえる北海道倶知安町を例に挙げ「都心の富裕層が毎年寄付して、スキーを楽しむような動きもある」と語った。
長期的な視点で考えると「他自治体の返礼品と比較されないオンリーワンの商品作りがトレンドになっていく」という。兵庫県加西市を例に挙げ、暖房器具などを製造する「アラジン」の本社工場があり、同社のトースターやストーブの返礼品が「キラー商品」となり、年間60億円超の寄付を集めているとした。新潟市は、全日空(ANA)のパイロットや客室乗務員、整備士らANAグループの社員によるオーケストラバンドが新潟空港で演奏する3月のコンサートの「鑑賞権」を12万円で募集開始。高額寄付ながら、大きな反響を集めた。
「自治体の認知度を上げたり、地元の事業者が潤う仕組みを作って街の活力をいかに上げていくかがふるさと納税の本質」と中川氏。ルールの厳格化後は「担当者と打ち合わせをしていても“うちの市や町ではどんな新しい価値を作れるか”という議論がよく出てくるようになったと感じています」と語る。
また能登半島地震の発生後は、東日本大震災でふるさと納税が注目されたように純粋な寄付が集まっていると指摘。また、被災した自治体の代わりに寄付を代理で受け付ける自治体などの動きも広がり始めている。
08年に制度が始まってから16年。寄付金の奪い合いではなく地域の魅力を競い合ったり、自治体間の連携が強まる傾向へとシフトいきそうだ。












