能登半島地震 安否不明の息子はどこに…「ショックだ。言葉が出ない」 穴水町、進まぬ救助
石川県で最大震度7を観測した能登半島地震で、石川県は4日、死者が84人になったと明らかにした。連絡が取れない安否不明者は未成年3人を含む179人。ほかに輪島、珠洲両市の集落を中心に約780人が孤立。被害の全容が見えない中、午後4時過ぎ、生存率が大幅に下がるとされる発生72時間が経過した。震度6強を記録した穴水町では、住民が生き埋めになっているとみられる現場で消防などによる懸命の救助作業が続けられた。
能登半島東側の七尾北湾の最奥部に位置する穴水町川島。住宅の裏山の土砂が崩れ4軒が倒壊。2軒で住民が生き埋めになっているとみられる。
うち1軒は2階建てで家族5人が被災。60代の夫婦とその孫(13)の安否が不明になっている。孫の母親は3日までに死亡が確認され、その兄は地震発生後に逃げて無事だった。
1階部分が無残につぶれ跡形もなく、大量の土砂にのみ込まれた状態。人がいるとみられることから重機を使用できず、手作業で幾重にも折り重なったがれきが除去されていった。
気温7~8度の冷たい風が吹く中、現場から30~40メートル離れた高台からもどかしい思いで見守り続ける親族たち。その中に目を真っ赤にした男性(32)の姿があった。安否不明になっている孫の父親だ。8年前に離婚し、金沢市内の病院に勤務。長い間、会っていない。
石川県は3日夜、安否不明者の氏名や住所、年齢などを公表。ニュースで息子の名前を見つけた。「驚いたが、自分の目で見なければ信じられない。居ても立ってもいられず、いけないことだと分かっていたが、職場を抜け出した」。4日早朝に金沢を出て、穴水町入り。「現場を目の当たりにしてショックだ。言葉が出ない」
低気圧や気圧の谷の影響で、気象庁は3日午後、穴水町に大雨警報を発令。明け方に降り、日中は晴れた。しかし、地震の揺れで地盤が緩んでおり、2次災害に警戒する中で救助作業は続いた。
刻一刻と「発生72時間」の夕刻が迫る中、容赦なく繰り返し起こる余震。サイレンが鳴り響く度に消防隊員らは退避、作業の中断を余儀なくされた。午後4時前後には実に5分おき。日の入り近くで、関係者らは焦りの色を濃くするばかりだった。こうした状況下で、午後3時過ぎに1人ががれきの中から運び出され、親族らしき人が確認するなどした。
遅々として進まないように見えてしまう救助作業。「どうしようもないことだと分かっているけど、もっと早く対応できないのだろうか。やるせない気持ちだ」。声を振り絞った男性。目はいつまでも真っ赤だった。(高橋 雄二、塩野 遥寿)
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