「スーパークレイジー君」宮崎市議・西本誠容疑者、逮捕　知人女性に性的暴行か

　宮崎県警は6日、30代の知人女性に性的暴行を加えてケガを負わせたとして、不同意性交致傷の疑いで「スーパークレイジー君」こと宮崎市議の西本誠容疑者（37）を逮捕した。これまで政治団体代表「スーパークレイジー君」などとして出馬を繰り返し、4月の市議選で初当選した。

　逮捕容疑は、3日午前4時ごろ、30代の女性を同市内の宿泊施設に無理やり連れ込み、性的暴行を加えるなどして、全身打撲などのケガを負わせた疑い。県警は認否を明らかにしていない。
　女性が4日に宮崎北署に被害を届け出た。4日は9月定例会の開会日で、容疑者は本会議に出席していた。

　注目を集めたのは、2020年の東京都知事選。「若者に選挙に興味を持ってほしい」と出馬した。金髪に特攻服のいでたちでベンツを改造した選挙カーで各地を巡り、歌やダンスも披露。しかし、1万票余りの得票に終わった。21年の埼玉県戸田市議選で初当選したが、後に居住実態がないとして当選無効に。22年の戸田市長選は大敗した。

　宮崎市出身で、タレントの東国原英夫が返り咲きに挑んだ同年12月の宮崎県知事選にも挑戦。「未来は若者が決める」と訴えたが、遠く及ばなかった。今年4月の宮崎市議選（定数40）で61人の候補者中、2番目に多い4195票を集め初当選。これまでに没収された供託金は700万円以上に及ぶ。

　選挙で使ってきた「スーパークレイジー君」という通称は、少年院で教官に暴行を加え、周囲から「クレージー」と言われたことに由来するという。宮崎市議選当選を受け、「市議会に緊張感が走る原動力になれば」と抱負を語っていたが、女性への性的暴行の疑いで逮捕される事態となった。

　不同意性交致傷の罪で起訴され有罪判決が言い渡されれば、実刑になる可能性が高いと指摘されている。地方自治法などの規定では、実刑判決が確定し被選挙権を失えば議員を失職することとなる。