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ガーシー容疑者に逮捕状、国際手配へ 「除名」で議員から一転…警視庁“待ってました”

[ 2023年3月17日 04:55 ]

 インターネットの動画投稿サイトで俳優の綾野剛(41)らを脅迫したなどとして、警視庁捜査2課は16日、暴力行為法違反(常習的脅迫)や名誉毀損(きそん)などの疑いで、前参院議員で政治家女子48党のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)の逮捕状を取得した。海外に滞在しており、警察当局は外務省に旅券返納命令を出すよう要請し、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配する方針。

 初当選以降、一度も登院せず、15日の参院本会議で議員資格を失う「除名」となっていた。国会会期中の不逮捕特権も失い、捜査関係者は「動きやすくなった」。警視庁は“待ってました”と逮捕状を請求した。一日で国会議員から容疑者へ転じた当の本人はSNSで配信した音声で「一生帰国しない」「お引っ越しします。引っ越し先は誰にも言わない」と主張した。

 逮捕状の容疑は、昨年2~8月、「YouTube」で「芸能界の裏側」を暴露するなどとうたった動画を投稿し、綾野ら3人を脅したほか、うち1人の会社経営者の事業活動を妨害し、撤退するよう強要した疑い。動画編集に関与したとして、名誉毀損などの疑いで40代の会社経営者の逮捕状も取った。

 被害届を受理した捜査2課は昨年12月、弁護士を通じて任意聴取を要請。しかし、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイなどに滞在し続け、SNSで「3月上旬に聴取を受ける」と表明しながら、「不当に拘束される」として帰国しなかった。

 聴取要請は6回に及んでいた上、SNSで告訴人だとする人物の名前を挙げ「けんかを売っている。買ってもいい」「家族にどれだけ迷惑をかけるか考えろ」と報復をうかがわせる発言を繰り返しており、逃亡や証拠隠滅の恐れがあり逮捕が必要と判断した。

 聴取ができない中、動画投稿サイトで得た広告収入を管理する合同会社の代表宅などを1月に家宅捜索、押収資料の分析を進め、外堀を埋めていった。詐欺や贈収賄を担当する捜査2課の投入は、金の流れを重視しているためとみられている。

 旅券返納命令に応じず不法滞在となれば、フィリピンの入管施設から広域強盗を指示していた「ルフィ」を含むとみられる4人の容疑者のように強制送還される可能性がある。帰国次第、逮捕されるが、滞在国の対応次第で今後の展開は不透明。いずれにせよ、海外滞在中の時効は停止。警視庁は何年かかっても逮捕する方針だ。

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2023年3月17日のニュース