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クリミア奪還手段選ばず ゼレンスキー大統領「停戦の用意ない」

[ 2022年8月24日 08:46 ]

 【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は23日の記者会見で、ロシアが2014年に強制編入したウクライナ南部クリミア半島について「他国との相談なしに、自ら正しいと決めたあらゆる手段で取り戻す」と述べ、奪還への強い決意を示した。「われわれに停戦の用意はない」とも明言し、紛争解決は一段と困難になった。

 ロシアのウクライナ侵攻から24日で半年。ゼレンスキー氏は以前、侵攻前の状況までロシアが撤退すれば停戦交渉の再開が可能だとしていた。クリミアでは8月に入ってロシア軍基地などで爆発が相次ぎ、ウクライナ軍精鋭部隊が関与したとの見方も浮上。緊張が高まっている。

 ゼレンスキー氏は、クリミア返還を目指す国際枠組み「クリミア・プラットフォーム」の首脳会合で記者会見した。14年に始まった親ロ派との東部紛争で、停戦などを定めた「ミンスク合意」が履行されなかったことから「新たな合意を重ねても、領土の一部を失うだけだ」と強調した。

 首脳会合の演説では「クリミアに始まったロシアの侵攻は、クリミアに終わる」と述べ、各国首脳らに奪還の正当性を訴えた。クリミア・プラットフォームは昨年設立され、今回の首脳会合には約60の国や国際機関が参加した。

 ロシアは14年、ウクライナの親ロ政権が崩壊した後にクリミアに部隊を派遣して制圧し「住民投票」を経て編入。クリミア帰属問題は決着済みとの立場を取る。今年2月の侵攻後の停戦交渉でも協議対象に含めることを拒否してきた。

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2022年8月24日のニュース