“メタルの殿堂”悲鳴…X JAPANなど育てた目黒鹿鳴館、再開見えず「夏を迎えられるのか…」

[ 2020年5月24日 05:30 ]

ライブハウスの窮状を訴えるPEPEさん
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 東京都が新型コロナウイルスの感染防止に伴う休業要請を緩和するロードマップを示してから一夜明けた23日、X JAPANやBABYMETALの“聖地”として知られる老舗ライブハウス「目黒鹿鳴館」(東京都目黒区)の経営者がスポニチ本紙に窮状を訴えた。ライブハウスの再開について都は方針を示しておらず「夏を迎えられるのか」と資金繰りの不安を吐露。それでも「爆音の灯を消すわけにはいかない」と悲壮な決意を口にした。

 オーナーの「PEPE」こと山口高明さん(52)は、小池百合子都知事が示した4段階の休業要請緩和のロードマップからライブハウスが外れたことに「東日本大震災の時も自粛ムードで苦しかったが今回はそれ以上。再開が見えない」と嘆いた。

 目黒鹿鳴館といえば、インディーズ時代のX JAPANが活動拠点にしたことで有名。Xが成功を収めたことで「ジャパニーズメタルの殿堂」としての地位を確立し全国区になった。近年ではBABYMETALが同所から世界へ駆け上がりスターの座をつかみ、女性アイドルグループのライブも精力的に行われてきた。

 今年は開業40年の節目で本来なら盛り上がる一年となるはずだった。だが、3月30日に開かれたステージを最後にライブは行われていない。「4、5月はライブ0。出演者側と相談してキャンセル料はもらっているものの、売り上げは9割減」と悲観する。人件費など月々の固定費は約350万円。鹿鳴館を愛するアーティスト有志が支援に乗り出すなど善意の広がりに感謝する一方「これまでの蓄えで6月まで持ちこたえたとしても夏場を迎えられるかどうか…」とため息をつく。

 3密のリスクが高いと指摘されるライブ・エンターテインメント業界は新型コロナの影響が直撃した。5月末までに見込まれる入場料の損失は総計約3300億円(ぴあ総研調べ)。これは前年の年間市場規模9000億円に比べて4割近い落ち込みだ。

 今後の課題は感染症対策。鹿鳴館では休館前、客にマスク着用を求め、空気を循環させるサーキュレーターを設置。ライブのMC中に窓を開けるなど換気に努めてきた。休業要請一辺倒の小池知事には「名指しされて危ないイメージがついてしまった。現場を実際に見てどんな対策をしているか知ってほしい」と注文をつけた。

 山口さんは休館中もメンテナンスのために定期的に足を運ぶ。音響装置を従業員と点検している時に思うことがある。「最近、爆音を聞いていないな」

 アーティストも苦境に立たされている中で「ライブハウス側が弱気な姿を見せたくない」と思っている。だからこそ公式サイトで「必ず復活する」と誓った。「個人的に借金をしてでも守っていく」。“爆音”の灯を絶やすつもりはない。

 ▽目黒鹿鳴館 1980年にオープン。初期には米米CLUBが出演。Xの成功からLUNA SEAやGLAYらが続き、90年代のビジュアル系バンドの隆盛につながった。由来は明治期に政府が外国との社交場として利用した「鹿鳴館」から。立ち席で定員250人。オーナーの山口さんは87年に入社し2017年から現職。

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