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野村夫妻も…死因国内2位「虚血性心不全」寒い冬は注意、12月~2月に高まる発症率

[ 2020年2月12日 05:30 ]

野村克也さん死去 ( 2020年2月11日 )

野村氏と沙知代夫人は同じ虚血性心不全で亡くなった
Photo By スポニチ

 野村克也さんは妻・沙知代さんと同じ虚血性心不全で亡くなった。厚生労働省の2017年のデータで心疾患(心不全)は、がんに次ぐ日本人の死因2位。著名人の死者も多く、最近では声優の白石冬美さん(享年82)、女優の生田悦子さん(同71)、芸能リポーターの武藤まき子さん(同71)ら。高齢者だけでなく、昨年11月には人気俳優の滝口幸広さんが34歳で亡くなっている。タレントの前田健さん(同44)の死因も虚血性心不全だった。

 国立循環器病研究センターによれば、12月から2月の冬季は発症率が高まるという。

 【原因】心臓の表面には冠動脈と呼ばれる血管がある。その血管内の壁にコレステロールなどがたまり、血液の流れを阻害。血液が流れなくなると心臓に酸素が運ばれなくなる。酸素不足になると胸痛が起き「狭心症」と呼ばれる。狭心症が進行し血管が完全に詰まると、酸素が届かなくなり心臓組織の一部が壊死(えし)する「心筋梗塞」となる。

 【検査・治療】MRIで心筋の動きを検査したり、CTで冠動脈の詰まりの度合いをチェックする。治療法は、血管を広げる薬物療法、詰まった血管を拡張させる冠動脈形成術(カテーテル手術)、冠動脈バイパス手術などがある。

 【予防法】野村さんは自宅の浴槽内でぐったりしていた。順天堂大医学部心臓血管外科教授の天野篤氏(64)は「動脈硬化があり心臓の働きが落ちているところに、お湯に漬かって血圧が急激に下がったのではないか」と指摘した。天野氏は冬季の入浴には特に注意を促す。部屋・脱衣所と浴室の温度差で起きるヒートショックだ。「長風呂、湯温が高いのは危険。血圧上下を招く。特に独り暮らしの高齢者には、周囲の配慮が必要」と強調した。野村さんは心臓に不安があった。「高齢者は元々、加齢で血管が弱っている。まずは、生活習慣病など持病の管理をしっかりすること。適切なアドバイスがもらえるかかりつけの医者を見つけることも大切」とした。

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2020年2月12日のニュース