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米国ではしかの感染者がさらに増大 ニューヨーク州ブルックリンで大流行

[ 2019年5月31日 15:32 ]

 米疾病対策センター(CDC)は30日、今年になって麻疹(はしか)に感染した患者数が971人に達したと発表した。2000年に国内での「根絶」を宣言してからは最多で、1994年の963人をこの日、上回った形。2200人が感染した1992年以来、27年ぶりの大流行となった。

 自閉症への引き金になるといった科学的根拠の乏しい理由で麻疹(はしか)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風疹の3種混合ワクチンの接種をしない子どもが増えたのが原因。AP通信によれば、移民の多いニューヨーク州ブルックリン周辺ではすでに500人以上が感染したことが判明しており、42人が入院して12人が集中治療室に入っていることも明らかになった。

 世界保健機関(WHO)によれば今年1~3月の感染件数は前年の4倍に相当する11万2000件。麻疹(はしか)は空気や飛沫で感染するため、ワクチン接種による免疫がなければ患者の近くにいるだけで多くの人が発症するリクスを伴っている。1958年に76万3000人が感染して552人が死亡した米国ではワクチン接種の効果でいったんは根絶にたどり着いたが、ここに来て「麻疹(はしか)の排除国」ではなくなってしまう危機的状況に陥っている。

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2019年5月31日のニュース