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五輪おじさん、山田直稔さん死去 92歳 2020目前で…

[ 2019年3月19日 05:30 ]

 1964年の東京大会から夏季五輪全14大会や98年冬季長野大会を現地観戦し、「オリンピックおじさん」の愛称で親しまれた実業家で浪速商事会長の山田直稔(やまだ・なおとし)さんが9日午後2時55分、心不全のため東京都内の病院で死去した。92歳。富山県出身。葬儀は近親者で行った。4月16日午後2時から、浪速商事グループが運営する東京都江東区の東京木場ホテルで「お別れの会」を開く。

 山田さんは「国際オリンピック応援団長」を名乗り、競技会場で外国人を含む周囲の観客に小旗を配るなどして即席応援団を結成。金色のシルクハット、日の丸の扇を手にした派手ないでたちで声援を送り、五輪観戦の名物おじさんとなっていた。94歳で迎える予定だった2020年東京大会を、13年の開催決定時から「こんなに感動したことはない。長生きしなくちゃ」と楽しみにしており、最近まで「人生の集大成にしたい」と意気込んでいたが、願いはかなわなかった。

 16年のリオデジャネイロ大会は現地の治安を不安視する家族らの助言で一時は渡航を断念したが、結局は現地入りして女子レスリング決勝などを観戦した。今年1月にも趣味の大相撲観戦で両国国技館に足を運ぶなど元気だったが、2月中旬に体調を崩し、亡くなる約1週間前に入院していた。

 関係者によると、山田さんはマリナーズのイチローや横綱・白鵬ら著名人とも親交があった。副団長として92年バルセロナ大会から応援仲間だった石川恭子さん(49)は「世界から集まる人たちと笑顔で交流するのを、何よりも楽しみにしていた」と無念さを募らせた。

 ▼福原愛さん(卓球女子)オリンピック会場の観客席にオリンピックおじさんを見つけると異国の地でもなぜだかホッとしたのを覚えています。大きな大きな声援、ありがとうございました。

 ▼吉田沙保里さん(レスリング女子)突然の訃報に驚いています。毎回、オリンピック会場でお見かけした時には勇気をもらっていました。今度は一緒に東京オリンピックの会場で応援できると思っていたので、とても残念です。

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2019年3月19日のニュース