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サッカーグラウンドに落雷 高校生1人意識不明 熊本・鹿本高の18人が搬送

[ 2024年4月4日 05:30 ]

雷が落ちた鵬翔高のグラウンド
Photo By 共同

 3日午後2時半ごろ、宮崎市古城町の宮崎産業経営大に隣接するグラウンドに、雷が落ちた。大学と同じ学校法人が運営する私立鵬翔高(宮崎市)と、熊本県立鹿本高(山鹿市)がサッカーの練習試合のためにグラウンドを使っており、宮崎市消防局によると18人が病院に搬送された。鹿本高によると、うち同高校の男子生徒2人が意識不明の重症となったが、1人は搬送後に意識が戻った。宮崎市には2日から雷注意報が出されていた。

 グラウンドを所有する鵬翔高は「落雷の予兆がなかった」としている。落雷時は鵬翔高の2チームが試合をし、鹿本高は周辺で準備運動をしていた。雨は降っていなかったという。雷が落ちたのは鹿本高のベンチ近くという情報もある。

 鹿本高によると、サッカー部の男子生徒26人と指導者ら3人が前日から1泊2日の日程で宮崎を訪れていた。3日夜の時点で計9人が入院している。宮崎県によると、鵬翔高に負傷者はいないという。鵬翔高は元日本代表FW興梠慎三(浦和)らを輩出し、全国高校サッカー選手権で優勝経験のある強豪。

 96年、大阪府のサッカー大会で、高知市にある高校の選手が落雷に遭い、重い障がいが残る事故があり、日本サッカー協会(JFA)は06年、落雷事故防止に関する指針をまとめた。指針は、屋外でのサッカー活動中に落雷の予兆があった場合は速やかに中止し、安全確保を最優先とするとしている。

 近くで農作業をしていた黒田和夫さん(60)は「午後2時半ごろ、稲妻が二手に分かれて大学の方角に落ちた。雷注意報も出ていて、雷が鳴った時点で避難すべきだったのではないか。本当にかわいそうだ」と話した。

 ▼浦和FW興梠慎三 ショックです。言葉が見つからないです。(鵬翔高OB)

 <気象予報士・森朗氏の見解>気象予報士の森朗氏(64)は「雨が降っていなくても雷注意報が発令されている間は外での活動は中止するべき」と警鐘を鳴らす。重力によって落下する雨とは違い、雷は積乱雲が頭上になくても落雷の可能性があるとし「黒い雲が、顎を上げなくても見える位置に離れるまでは注意が必要」と目安を提示した。

 今回事故が起きたグラウンド内のような開けた場所では、一番高い位置にいる人が「避雷針のように雷を吸い寄せてしまう」と指摘する。雷注意報が発令された場合は「丈夫な建物や車の中への避難」を推奨した。ベンチや物置など、屋根があっても簡素な建物では落雷を受ける可能性があるため「事前に避難する建物を決めていくことが大切」と対策を示した。

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