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湘南が30周年記念として国立で川崎F戦 石原「国立で勝ってきっかけにしたい」

[ 2023年8月29日 09:25 ]

湘南・石原広教
Photo By スポニチ

 【大西純一の真相・深層】湘南が9月24日に国立競技場で24年ぶりのホームゲームを開催、川崎Fと対戦する。特別な思いでこの試合を見据える人は多いが、小学3年生から下部組織でプレーしているMF石原広教(24)もそのひとりだ。旧国立競技場も含めて試合でピッチに立ったことはないし、スタンドで試合を観戦したこともない。だが、「サッカー選手にとって国立は高校選手権決勝や日本代表戦などもやる特別な舞台。いい雰囲気の中で試合をするのは気持ちがいい」と、胸をふくらませた。

 99年4月10日の旧国立競技場での試合は浦和に0-3で敗れた。クラブが経営難に陥り、厳しい状況になった年。J1で第1、第2ステージ共に最下位になり、翌年からJ2に降格、親会社だったフジタも撤退し、翌年から市民クラブ「湘南ベルマーレ」となった。その試合の43日前に生まれた石原に、試合の記憶はない。そして生まれる5年前、クラブが初めて国立競技場で開催した94年4月2日の名古屋戦のクラブ最多観客動員4万8640人が最多記録、今回はその更新を目標に掲げている。石原は「たくさんのお客さんの前でやるのはテンションが上がるし、楽しみ。でも、たくさんの人を集めてふがいない結果では申し訳ない。しっかり勝って、人の心を動かす試合したい」と、結果にもこだわった。

 さらに相手が川崎Fというのも石原の闘志をかき立てる。Jリーグ屈指の強豪、今季はルヴァン杯を含めて2分け1敗だが、「同じ神奈川のチームで、小学生の時から意識してきたライバル。負けられない相手。サポーターもそう思っている」国立競技場で、大観衆を背に、川崎Fに勝って、J1残留に弾みを付けたいところだ。

 もうひとつこの試合で勝ちたい理由がある。試合中に接触プレーで左膝を負傷し、全治1年の診断を受けた親友の神戸MF斎藤未月のためだ。湘南の下部組織の同期で仲もいい。「本人が一番悔しいと思うが、言葉で言うより、一緒にやってきた選手が、活躍する姿を見せて、元気付けるしかない。それが俺の役割、リハビリに刺激を与えられるように、湘南が勝つところ見せたい」

 石原もケガで戦列を離れていたが、8月12日の新潟戦で途中出場して戦列に復帰した。夢の舞台に間にあった。94年のJリーグ2年目からベルマーレ平塚としてJリーグに参入して30年の記念試合。J1残留へ向けても重要な試合になる。「みんな前向き、意欲的にやっている。自分たちがやってること間違ってないし、僕も休んでいた分、チームを引っ張りたい。ぜひ、国立に来て応援してほしい」と、石原は言う。今季もJ1名古屋―新潟戦で5万7052人、FC東京-神戸戦で4万8634人、J2清水―千葉戦で4万7628人、町田―東京V戦で3万8402人。これを上回るのは簡単ではないが、ここ一番で力を発揮するのがベルマーレ。いい試合を約束し、サポーターの後押しで、特別な試合に勝って、J1残留のきっかけをつかめるか注目だ。

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