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南野 2点絡み攻撃陣けん引 4点奪取を「ポジティブに考える」

[ 2016年8月6日 05:30 ]

<日本・ナイジェリア>前半、チーム2点目のゴールを南野はゴールを決め、手を広げて喜ぶ南野

リオデジャネイロ五輪1次リーグB組 日本4―5ナイジェリア

(8月4日 マナウス)
 失点を繰り返しても、攻撃陣は最後まで諦めなかった。そのけん引役となったのが南野だ。前半6分に先制を許した3分後、ペナルティーエリア内でMF大島のパスに反応。DFに倒されてPKを獲得すると、興梠が決めてすぐさま追いついた。同10分に再び勝ち越されても、2分後には興梠、大島とつないだパスで最終ラインを突破。GKの股下を抜く左足シュートで五輪初得点を決め、劣勢の序盤に2度も同点に追いついた。

 「(チームで)4得点できたことは良かった。1点差で終われたことは、グループリーグで後から響いてくると思う。4点取れる力があることをポジティブに考えてやっていくしかない」。

 硬さが見られた守備陣とは対照的に、身体能力の高いナイジェリア相手に気を吐いた。前半28分に鋭い動きで最終ラインをすり抜け、MF遠藤のパスを引き出した。後半33分にはMF矢島にスルーパスを通し決定機を演出。クラブ側の派遣拒否によりFW久保を欠く中、同じ海外組の21歳が攻撃の軸になった。

 「拓実はとにかく点を取った」と振り返るのは、小学生時代を過ごしたゼッセル熊取FC(大阪)の比嘉陽一コーチ(35)だ。ゴールを決めることが大好きで、負けている状況では「俺に出せ!」と仲間に叫んだ点取り屋だった。当時から負けん気が強く、試合に負けると人目をはばからず涙を流したという。同コーチの脳裏に焼き付いているのが、雨で練習が中止になったある日、ぬかるんだ土のグラウンドで延々と父親と2人でシュート練習を繰り返していた姿だ。世界の舞台でも発揮した得点力は、誰よりも重ねてきた練習の成果だった。

 初戦を落としたことで早くも崖っ縁に立たされた日本。だが、中2日で迎えるコロンビア戦を控え落ち込んでいる暇はない。「逆に、もうやるしかなくなった。後の2つの試合に勝たないといけないし、自分たちを信じてグループリーグを突破したい」。初戦でつかんだ手応えもある。その目にはメダルしか見えていない。

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