U22 五輪予選へ不安…チーム優先で合宿に16人しか来られず
日本協会は19日、U―22日本代表候補合宿(23~26日、神奈川)のメンバーで、現状で確定している16人を発表した。最終的には25人を招集する予定だが、J1のチャンピオンシップ(CS)と、J1昇格プレーオフ(PO)に出場するクラブからは招集できない。12月上旬の中東遠征、同下旬の石垣島合宿も所属クラブの公式戦を優先させる方針で、来年1月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選(カタール)まで、ベストメンバーでの強化を行えないことになった。
【U―22日本代表候補メンバー U―22日程&結果】
協会職員から報道陣に手渡されたメンバー表の選手欄には16人の名前しか並んでいなかった。今後、CSに出場できなかったJ1クラブ、J1昇格PO出場を逃したJ2クラブの選手を追加する予定で、手倉森監督は「(J1、J2の)結果次第で25人になる」と説明したが、所属クラブでの公式戦を控える選手を招集できない現状が明らかになった。
来年1月のリオ五輪アジア最終予選まで、その状況は変わらない。12月6日からの中東遠征中にはCS優勝クラブが出場するクラブW杯があり、海外組も公式戦のため招集できない。同22日からの石垣島合宿は天皇杯の準々決勝、準決勝と重なる。指揮官は「(11月までに)メンバーを絞り込む予定だったが、多くのメンバーを鍛え上げる時期」とプラン変更を明かした上で「(予備登録枠の)50人の底上げをしていく。全員が戦う覚悟を持ってほしい」と訴えた。しかし“本番”まで一度もベストメンバーで戦術の徹底やチームとしての熟成を図ることができない。
選手にとっても逆風だ。特に10月の佐賀合宿で初招集された浦和のMF関根ら最近、戦力として台頭してきた選手にとっては痛い。所属クラブが勝ち進むほどに代表でのアピール機会を失うことになる。アジア最終予選は日の丸を背負い、極限の緊張状態の中で戦う貴重な場。成長のため大きな糧を得られるはずが、出場する機会を失えば将来にまで影響を及ぼす可能性もある。
手倉森監督は合宿に向けて「しっかりとした守備からのカウンターの形を確立したい」と狙いを語った。厳しい状況だが、打開のための特効薬はない。6大会連続の五輪出場は逆風を切り裂いてつかみ取る。
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